「ワインとおつまみ」で超簡単ペアリング
美味しいおつまみがあると、お酒の席がいっそう充実する。お酒と相性のよいおつまみを探すことも、お酒好きの楽しみのひとつ。
「おうちごはん」の需要が圧倒的に増えたこともあって、それに合わせてお酒を家でたしなむ方も増えている。とはいえ、家で食事を楽しむのは日々のこと。毎度毎度、手の凝った料理を作っていられないのが大半であろう。一刻も早くリラックスしたくて、冷蔵庫から出してすぐ食べられる、調理いらずの酒のつまみを楽しむ方もきっと多いに違いない。
今回は、そんな方に向けた「ワインのおつまみ」ペアリングを紹介したいとソムリエスタッフ数名が立ち上がった。
なにも「おつまみ」は日本酒やビールに限ったものではない。お酒を楽しむのに欠かせない「おつまみ」は、ワインのお供にも当然成り得る存在だ。この企画では、ワインのインポーターとして過去に紹介してきた「おうちごはん」より、もっと【気軽なつまみとワインの相性】を検証により追求していく。
「親父」VS「若者」が選ぶおつまみ
ところで、若いころとくらべると味の好みが変わった…そう感じている中高年の方も多いことだろう。個人差はあるものの、よく年を取ると「あっさりしたものを好むようになった」という話はよく耳にする。もっぱら健康に気をつかうようになった、ということも考えられる。
今回のマリアージュ検証に立ち上がったのは、若手から中堅まで社内の幅広い年齢層のソムリエスタッフ。一概に年齢だけが問題ではなさそうだが、どうも普段の食生活が異なるからか、ワインとの食べ合わせの相性うんぬん以前に、その人の味の好みがかなり出るようだ。
特に「おつまみ」においては。ある日の午後、この企画を練っていた会議室で、「親父のおつまみ」vs「若者のおつまみ」対決が静かに勃発する。
▶親父代表Tさん
濃い味付けは好かん。男は黙ってシンプルなおつまみを選ばんと!最近の若いやつは缶詰ばっかり選びよる。胃がもたれるわ。
▶若者代表Sさん
お酒を飲むときはしっかり食べないとダメですね。ワインもおつまみも濃い目を選べば満足度を感じられます!
口々に訴える声が会議室に響き渡る。親父vs若者、両者一歩も引く様子は見られない。長いにらみ合いが、しばらく続いた。このままでは企画が進まず、平和的解決案をとることに。それぞれの世代で「コレが良い!」と推すおつまみと、それに合うワインの相性対決で決定した。
親父・若者チームに分かれて検証し、「これは!」と思うペアリングを2種類、それぞれに発表する。さて、結果はいかに。
「親父が選ぶおつまみ」とワイン
「親父のおつまみ」チームが用意したのは、枝豆、冷奴、スルメ、イカの塩辛、ザーサイ、ちくわ、チーズ&鱈すり身のおつまみ、サラミソーセージの8種。ボリュームは控えめながら、どれも塩気がいい感じに効いたものばかりだ。
冷奴に合うワイン
中でも満場一致でベストマリアージュだったのは、イタリアを代表する辛口白ワイン、ソアーヴェと冷奴の組み合わせ。
オーガニックで育てたブドウから生まれたこのワインは、フルーティな味わいが魅力で、新鮮でさわやかな風味が心地よいワイン。
〈親父ソムリエ 実食コメント〉 -----------
暑いときはサッパリした冷奴が美味しい。まさに身体が求める味。豆腐自体の味を消してしまうので、濃いワインは絶対にNG。
ソアーヴェの様な軽めの辛口白ワインなら、スッキリと楽しめるわ。ワインと冷奴のミネラル感が絶妙にマッチしているな。みずみずしい冷奴にネギを添えると、さらにフレッシュな印象になるぞ。
サラミソーセージに合うワイン
お酒のおつまみの定番、サラミ。子どもから大人まで絶大な支持を得ている。もちろん親父たちにとっても、大好物な肴のひとつだ。ピザのトッピングの代表選手サラミには、やっぱりイタリアのワインが合う。
高級イタリアワインの産地、ピエモンテ州にありながら、お財布に優しい赤ワイン。ベリーやスミレの香りに、しっかりした酸味がバルベーラ種のワインの特徴だ。
〈親父ソムリエ 実食コメント〉 -----------
これは、、、サラミの脂とワインのチャーミングな果実味が溶け合っているぞ。サラミを噛めば噛むほど口の中でジューシーさと旨み、コクが広がり、そこにワインの酸味が上品に寄り添っているな。次のひと口が欲しくなるね。
「若者が選ぶおつまみ」とワイン
一方の「若者のおつまみ」チームは、ポテトサラダ、柿ピー、炙り焼き厚切りベーコン、スモークタン、オイルサーディン、ポテトチップス(塩味)の6種。親父のおつまみに比べると、どれも濃い目の味付け。
ポテトサラダに合うワイン
ひと際、ユニークだったのがこのマリアージュ。樽熟成タイプの白ワインが、ポテトサラダの新しい楽しみ方を教えてくれた。
チリの太陽をたっぷり浴びたシャルドネワイン。フレッシュな果実味と酸味、そこに溶け込むトーストした甘い樽香に思わずニンマリ。南国フルーツや柑橘のアロマがたまらない。
〈若者ソムリエ 実食コメント〉 -----------
樽熟成由来のコクが、ジャガイモのほくほく感や旨みを一段階レベルアップしてくれるっすね。ワインのフルーティな味わいがジャガイモの甘みを引き出して、まるでスイートポテトの様な味わいが広がるっす!この体験は、新鮮。
オイルサーディンに合うワイン
シーフードには、やっぱり白ワイン。意外にも、「やや甘口」のワインがベストマリアージュ。
ドイツ モーゼルワインの中でも特に人気のある、銘醸地ピースポート村のワイン。2種類のブドウを同じ比率でブレンド。口当たりがよくフレッシュで、すっきりとした余韻が楽しめる。フルーティなので、ワインだけで飲んでもおいしい。
〈若者ソムリエ 実食コメント〉 -----------
ワインのやわらかさが、このオイリーな味わいと溶け合っていい感じ。心地よい甘みと酸味が、魚のほろ苦さも包み込んでくれて最高すね!いったん口にしたら、止め処なく手が出てしまう。
判定はいかに?
さて、「親父vs若者」
あなたが試してみたくなったマリアージュはどっち?
ご紹介したのは、どれも手間なし簡単マリアージュなので是非試して頂きたい。そして、どちらに軍配が上がるのか、勝利の判定は皆さんにお任せするとしよう。
結論: 「ワインとおつまみ」は案外、面白い。