パプツァキ(papoutsaki)とは
Wikipedia(英語版)によると、パプツァキは以下のような料理です。
『Eggplant papoutsaki』
茄子のパプツァキは、ギリシャ料理とトルコ料理の茄子料理です。 「Papuc」または「papuç」はペルシア語の「paposh」で、トルコ語でも使用され、「靴」または「スリッパ」の意味があります。(自動翻訳原文ママ)
参考画像がこちら
Googleの画像検索では日本でいえば「茄子のチーズ焼き」のような料理が複数ヒットします。茄子に牛ひき肉、ベシャメルソースとチーズをかけて焼き上げたものが一般的なようです。 私がこの料理を知ったのは、オンラインワイン講座でギリシャの『キリ・ヤーニ』というワイナリーのシェフが紹介してくれたときのこと。赤ワインに合うということでした。実際に紹介された皿の画像はこちらです。
ワイナリーで作られている地ブドウ、クシノマヴロを使った『ラミニスタ』という赤ワインに合う料理として登場しました。ハイレベルなシェフが作った皿なので一般的なパプツァキとは違い、より美食的な料理になっています。シェフからレシピ(最後にご紹介しています)をもらえたので私の自宅で再現してみました。手に入りにくい材料があったので、少しアレンジしています※素人による再現ですので、多少の不足がある点はご容赦ください。
用意したもの(2人分)
【ベース】
- 茄子 2~4本
【牛肉ソース】
- 牛肉 (カレー、シチュー用) 250g
- オリーブオイル
- 塩
- ブラックペッパー
- 玉ねぎ 2個
- 人参 1本
- ニンニク 1片
- 白ネギ 2本
- トマトピューレ 大さじ2
- 小麦粉 大さじ1
- 赤ワイン 1カップ
- チキンスープ 4カップ
- ベイリーフ 2枚
【ベシャメルソース】
- バター 100g
- 小麦粉 120g
- 牛乳 適量
- 塩
- お好みのハーブや香辛料(今回はコリアンダーパウダー)
※ベシャメルソースの作り方は割愛。ハーブは牛乳の臭みを消すために、好きなものを少量加えるとよさそうです。
【仕上げ】
- オリーブオイル
- チャイブ
茄子を焼いて皮をむく
キリ・ヤーニのシェフはヘタのついた大きな茄子を使っていましたので、私も近所の八百屋さんを回って一番大きな茄子を購入しました(小さくても本数を増やせばOK)。また、オリジナルのレシピには「茄子をフライパンでロースト」と書かれていましたが、私は魚焼きグリルに入れて皮を焼き、冷まして皮をむきました。最終的にこのときについた焦げのほろ苦さが料理の成功ポイントになりましたので、この方法でも大丈夫そうです。
牛肉とソース
フライパンにオリーブオイルを引いて、塩コショウした牛肉を焼きます。軽く焼き目がついたら一旦取り出します。※一般的なパプツァキは牛ひき肉を使うようですので、シェフのレシピはちょっとぶっ飛んでいます。
肉を焼いた鍋にオイルを足して、玉ねぎ、人参、ニンニク、白ネギ(本当はリーキ)を炒めます。途中でトマトピューレと小麦粉を加えて野菜の鮮やかな色がなくなるくらいまで火を入れます。
赤ワインを加えてアルコールがとんだらチキンスープと肉を戻し入れ、ベイリーフを入れて30分煮込みます。
肉を取り除いてソースを濾します。質感のよいソースができる「ムーラン」を使いました。ハンドブレンダーやミキサーなどを使って粗めのザルにかけるのでもよいと思います。
皮をむいた茄子、煮込んだ牛肉、濾したソース、ベシャメル。これで役者が揃いました。
盛り付け
茄子の上に牛肉をのせます。牛肉は最終的に食感の役割も果たします。噛み応えがあり、一口で食べられる程度のサイズに切りましょう。
ソースをかけます。小麦粉が入っているので少し煮詰めてトロみをつけておくことがポイントです。茄子から水分が出るのでソースは少し固めがおすすめ※画像のはやわかったです。美味しかったですけど。
チャイブは香りも味もネギに近いですが、ネギより風味がやさしくて上品です。手に入りにくい場合はアサツキで代用しても問題ないと思います。※写真はロックチャイブで、黒いのは種皮。
ベシャメルソースをかけたら、バーナーで表面を炙って軽く焦げ目を入れる(ここは大事なポイント)。最後に刻んだチャイブをのせたら完成です。オリジナルのレシピに書かれていた最後のオリーブオイルはかけるのを忘れ(笑)ませんでした 。見た目はシェフにもらった写真とだいぶ違ってしまいましたがお許しください。
実食とペアリング
シェフのおすすめ通り、赤ワイン『ラミニスタ』を合わせます。手前ミソですいませんが、まずこの料理は腰が抜けるほど美味しいです!焼いた茄子についた焦げ苦さ、ベシャメルソースの焼き目が織りなすスモーキーさが赤ワインのカシスのような風味、スパイスのような風味とたまらなく合います。牛はひき肉よりもゴロっとしているほうが絶対よい。『ラミニスタ』に使われているクシノマヴロというブドウ品種は酸味とタンニンが強めの品種ですが、肉の噛み応えはそのタンニンをほどいてくれるかのようです。ベシャメルの濃厚さもいい。完璧なペアリング。キリ・ヤーニのシェフは天才!こりゃすごいわ。
パプツァキとは何だったのか
実食してみて感じたのは、パプツァキがとにかく美味しい料理だということです。
・パプツァキは焦げ目のついたベシャメルソースを煮込んだ牛肉と食べると美味
・そこに焼いた野菜の旨味が加わるとことで第三の要素になっている
・茄子は、ローストした人参やエノキとかにアレンジしてもおいしそう
・ポイントは焦げ目
・赤ワインに合わせるには、牛肉をゴロっと
そして、最後にキリ・ヤーニのラミニスタが最高に合う。これは間違いありません!再現してみてよかった~
【参考】「キリ・ヤーニ」のオリジナルレシピ(原文そのまま)
材料 4人分
茄子/茄子4、オリーブオイル
牛肉の煮込み/牛肉4人分(一人分約120g。BBQサイズの切り身)、玉ねぎ2、人参2、ニンニク1、リーキ適量、トマトピューレ 大さじ2、赤ワイン1カップ、小麦粉大さじ1、チキンスープ4カップ、シナモン適量、ベイリーフ2枚、水適量
ベシャメルソース/玉ねぎ1、バター100g、小麦粉120g、牛乳適量、塩、ナツメグ
仕上げ/チャイブ、パセリオイル適量(オリーブオイルで代用可)
① 茄子をフライパンでロースト。冷やして皮を剥く
② フライパンにオリーブオイルを入れて牛肉に焼け目がつくまで焼き、皿にとる
③ 玉ねぎ、人参、ニンニク、リークをスライスし同じフライパンに入れ炒め、トマトピューレと小麦粉を入れきつね色になるまで炒め、赤ワインを入れ更に炒める。アルコールが飛んだらチキンスープを入れて煮込む
④ 鍋に②,③シナモン、ベイリーフを入れ、水を足して中火で30程煮込む
⑤ 肉が柔らかくなったら、ソースを濾して別の容器に移す
⑥ ベシャメルソース:フライパンにバターを溶かし、刻んだ玉ねぎをきつね色になるまで炒め、小麦粉と適量の牛乳をゆっくりと数回に分けて入れクリーム状になるまで伸ばす。最後に塩とナツメグで味を整える
⑦ 大皿にローストした茄子、煮込んだ牛肉を乗せ上から濾したソースをかけ、最後に⑥を乗せて表面をバーナーであぶり、刻んだチャイブとパセリオイルをふりかけて完成
【引用】