今回検証したパンの種類
パンをおつまみにしてワインを楽しむ!を想定し、スーパーやパン屋さんで買えるパンを用意しました。
・バゲット
・クロワッサン
・チーズパン
・明太フランス
・イチジクパン
・ベーコンエピ
あわせたワインは赤・白から以下をチョイス。
左から
▼白ワイン
・サンテロ ブラック ブリュット
・天使のアスティ
・カサ・ベナサル ゲヴュルツトラミネール/モスカテル
・ボートシェッド・ベイ マールボロ ソーヴィニヨン・ブラン
・ヴァイン・イン・フレイム シャルドネ
・イル・プーモ マルヴァジーア ソーヴィニヨン
・ベインテミル レグアス
・写っていませんが バルディビエソ ブリュット も対象
▼赤ワイン
・ファウンド・ストーン シラーズ
・イル・プーモ プリミティーヴォ
・ラ・フォルジュ・エステイト カベルネ・ソーヴィニヨン
・ビュゼ 赤 エグジット
・ヴァイン・イン・フレイム ピノ・ノワール
パンがワインのおつまみになる理由
そもそもなぜこの検証をしようと思ったのか。それはパンとワインがどちらも醗酵食品であり、酵母を使って作られているから。醗酵食品同士を組み合わせることで、味や香りに深みが出て、お互いの味をよりおいしくしてくれるのではないか!?この仮説を立証すべく試してみました。
検証結果はいかに…。
パンに合うワイン 赤ワインの場合
明太フランス × 程よい酸味のあるスパイシーなワイン
基本的にパンの香ばしさとワインの樽感は同調しますので、ポイントは明太子の生臭さが出ないことですがこれはピタリ。シラーズワインのスパイシーさが明太子の風味と合って心地よいです。ワインの渋みが口の中に残らずパワーバランスが取れているペアリングです。明太パンにガーリックが入っているとさらに良く合います。
イチジクパン × 甘濃さを感じる凝縮度の高いワイン
ワインにナッツ、合いますよね。ドライフルーツにワインも合います。パンにクルミやナッツ、ドライフルーツが入るとワインとのペアリングはとてもやりやすくなります。キウイやパインのようなトロピカルフルーツなら白を、ベリーやチェリーのような赤いフルーツには赤が良く合います。ドライイチジク場合は甘酸っぱさとレーズンのような赤ワインのコクがマッチ。
ベーコンエピ × 樽熟成した軽めの赤ワイン
ベーコンのスモーク感、生地の香ばしさはワインの樽感と同調します。渋みが少なめの軽めの赤ワインを選ぶことでベーコンの良さを引き立てるペアリングに。どちらかが強くなりすぎることなくバランスが整います。
パンに合うワイン 白ワインの場合
バゲット × 辛口のスパークリングワイン
小麦の香りや香ばしさをシンプルに楽しめるバゲットも、十分ワインのおつまみになります。良質なオリーブオイル、岩塩をかけることで、風味など素材そのものの良さが際立つ組み合わせ。シンプルさゆえ赤・白などどんなワインにも合いますが、スパークリングワインにもピタリです。
クロワッサン × 樽熟成したしっかりめのシャルドネ
クロワッサンの特徴である、バターの風味を生かすペアリングです。ワインは樽熟成することでバターやナッツのようなコクが生まれます。パンとワインの同じ要素が同調して、ワインの果実味がクロワッサンにジャムのような風味を加えてくれます。
チーズパンに合う × 甘口のスパークリングワイン
パンに練り込まれたチーズの旨しょっぱさがおいしいペアリングです。スパークリングワインの甘さを塩味が引き立ててくれる、相反するものを組み合わせた禁断のおいしさ。パンをつまみながらワインをメインで楽しむシーンやパーティーのフィンガーフードにもってこいです。
バゲットアレンジレシピとワイン
アボカドディップ × 酸がきりっと爽快感あるスパークリング
アボカドのまったりとした甘みや食感を、ワインの泡の爽快感が心地良く流してくれます。 美味しいマリアージュ。サワークリームの酸味とワインの酸味もマッチします。
あおさのりカナッペ × 海の近くで造られた果実味あふれる辛口
あおさのりは和の食材ですが、マヨネーズやマスタードなどで酸味やオイル分、 パルミジャーノで旨みを足すと、びっくりするくらい美味しく、ワインに合うおつまみになります。
レシピはこちら:こんがり焼いたあおさのりカナッペ(外部に飛びます)
炙りカツオのタルタル × 完熟果実のボリュームたっぷりのワイン
凝縮感のある果実味やスパイシーな香りが、カツオの旨みを引き立てます。マヨネーズのコクやバルサミコの酸味とも相性がぴったりです。
パンとワインを合わせるコツ
検証結果からパンとワインを合わせるコツをまとめました。
1.樽熟成しているワインを選ぶ
パンの香ばしさとワインの樽感がよく合います。
ペアリングの種類でいうと…同調のペアリング
例)ベーコンエピと樽熟ワイン
パンの香ばしさ、焦げ感とワインの樽感やタンニンがマッチ。白ワイン、赤ワインのどちらでも合います。
あわせて読みたい:ワインペアリングのきほん VOL.1 同調のペアリング
2.甘口ワインを選ぶ
パーティーなど気軽に合わせるときに最適です。
ペアリングの種類でいうと…中和的なペアリング
例)チーズパンと甘口ワイン
甘じょっぱさがおいしい。甘口のワインはインパクトが強いので、ワインがメインの味わいになります。
あわせて読みたい:ワインペアリングのきほん VOL.2 中和のペアリング
3.スパークリングワインを選ぶ
小麦の香りなど、素材そのものの良さをスパークリングワインが際立てます。
パン本来の良さを感じるには 辛口がベスト!
なお、ベストマッチには選ばれませんでしたが、ペアリングの種類でいう、以下の組み合わせもおすすめです。
例)クロワッサンと赤ワイン
ベリー系フルーツを挟んで食べている感じ。渋みを苦みに感じてしまうので、渋みが弱いワインがベター。
あわせて読みたい:ワインペアリングの基本きほん VOL.3 補填のペアリング
合わないパンはあるの?
生地自体に甘みを感じるパン(蜂蜜が練りこまれたパンなど)や、 メロンパンやクリームパンなど、甘い要素がある場合、ワインの酸味が強調されてかなり酸っぱく感じてしまいます。
またタンニン(渋み)が強いワインだと、 苦みが口の中に残ってしまいます。
パンとワインの組み合わせは手軽にできるので、ひとりの時間や友人との時間など、いつもの時間にひと工夫して楽しんでみてはいかがでしょうか。
-----------------レシピ監修-----------------
おおはし・みちこ
ワイン輸入商社勤務後、「世界のワイン×日本の食材のマリアージュ」をテーマに発信するレシピが人気。著作書に『おうちでワイン』。