日本酒のタイプとイタリア料理の合わせ方
イタリア料理と日本酒を合わせるにあたり、日本酒のタイプを知っておくと料理に合わせやすくなります。日本酒は香りや味わいで4タイプに分けることができ、それぞれの種類と特徴は以下の通りです。
・爽酒(そうしゅ)…軽快でなめらか。透明感がある。本醸造酒や生酒系。
・薫酒(くんしゅ)…華やかな香り。酸があって味わいは軽く引き締まっている。大吟醸酒や吟醸酒系。
・醇酒(じゅんしゅ)…柔らかくふくよかな風味が丸く広がる。純米酒や生酛(きもと)系。
・熟酒(じゅくしゅ)…香り高く、味わいが濃い。長期熟成酒や古酒系。
この特徴に合わせると、口あたりの軽い爽酒は野菜やお刺身など軽めのものを、香りの立つ薫酒は白身魚や鶏肉料理にマッチします。またコクのある醇酒はチーズ系のイタリアンにピッタリです。
4タイプの日本酒についてはこちらもご覧ください。
今回合わせたイタリア料理
イタリア料理でも定番と呼べるメニューの中から、素材の味やボリューム感の違いでこれらを選びました。
前菜
・野菜をつかったシンプルな前菜「カプレーゼ」
・乳製品をつかったクリーミーな料理「バーニャカウダ」
パスタ料理
・魚介をつかった温かいパスタ料理「ペスカトーレ」
・肉をつかった温かいパスタ料理「ボロネーゼ」
ピザ
・照り焼きチキンピザ
・ミックスピザ
・マルゲリータピザ
・シーフードピザ
イタリアンじゃないピザもちらほら混ざっていますが、”日本酒と合わせる”を優先させております。何卒ご了承ください。。。
カプレーゼに合う × べんてん山羽音 純米吟醸
トマトとモッツァレラチーズを合わせた「カプレーゼ」。素材の味をシンプルに楽しむ、代表的な前菜料理です。
合わせる日本酒は酸が高めでフレッシュな印象の純米吟醸がおすすめ。
今回合わせたのは山形県、合資会社後藤酒造店の「べんてん山羽音 純米吟醸」。
フレッシュ感とフルーティーさが、お料理と日本酒で共通していて、口内で一体感が感じられます。
ぜひ冷やしめで、お楽しみください。
バーニャカウダに合う × 龍勢 BAILA 木桶醗酵 特別純米
にんにくとアンチョビを牛乳で煮込んだソースに野菜をディップしていただく料理「バーニャカウダ」。
合わせるのは木桶発酵した特別純米酒がおすすめ。
今回合わせたのは広島県、藤井酒造株式会社の「龍勢 BAILA 木桶醗酵 特別純米」。
この日本酒の酸味と旨みがニンニクとアンチョビの強い味わいにも負けません。
また、木桶発酵による複雑な乳酸の味わいをもった日本酒なので、乳製品のようなクリーミーさがソースに深みを与えてくれます。
ペスカトーレに合う × つぎのみどり 特別純米辛口
魚介をふんだんにつかったトマトソースのパスタ「ペスカトーレ」。
合わせるのはフレッシュな酸味を楽しめる「特別純米辛口」がおすすめ。
今回合わせたのは秋田県、有限会社奥田酒造店の「つぎのみどり 特別純米辛口」。
日本酒のイキイキとした酸味がレモンを絞るかの如く、魚介との相性が良いです。
ペスカトーレだけではなく、魚を使ったアンティパスト全般やアクアパッツァなどにも合わせていただきたいマリアージュです。
ボロネーゼに合う × まなつる 辛口山廃特別純米
野菜とお肉の旨みがギュッと詰まったパスタ「ボロネーゼ」。
合わせるのは山廃酛由来の強い酸味と旨味をもつ「辛口山廃特別純米」がおすすめ。
今回合わせたのは宮城県、株式会社田中酒造店の「まなつる 辛口山廃特別純米」。
油分が多い肉料理に赤ワインを合わせる場合、タンニンが口の中をさっぱりとさせ油分を流してくれますが、タンニンを待たない日本酒だと「アルコールの強さ」が同じ効果をもたらしてくれます。
温めることで美味しさが増す乳酸。これを多く含む山廃酛のお酒は燗に向いているので、より肉料理との相性が良くなります。
お肉系のセカンドピアットにもおすすめです。
照り焼きチキンピザに合う × 備中あわ蔵
甘辛テリヤキソースにマヨネーズの酸味。日本人なら好きな味。黒コショウをかけて味をキリっと引き締めて。チキンの油っこさとマヨネーズの酸味を炭酸がシュワっとリフレッシュさせてくれます!
ミックスピザに合う × 龍勢BAILA新風辛口 特別純米
ガッツリ味のサラミにカリカリに焦げたチーズ。複雑味のある肉系味にドライな後味がおすすめです。
マルゲリータピザに合う × KAZAKIRI特別純米
バジルの香りとモッツァレラのコク。時々かじるドライトマトの酸味。モッツァレラのコッテリ感にKAZAKIRIの酸味が良い。
シーフードピザに合う × まなつる 生もと特別純米原酒
ニンニク×魚介×チーズのガッツリ系にぴったりな日本酒。ニンニクと海老の香りがふわりと漂い、魚介とチーズの旨みが生酛造りの純米酒とよく合います。生酛造りの懐の深さを感じる面白いペアリングでした。
いかがでしたか。日本酒も特徴を知るとイタリアンにも合わせることができます。ホームパーティーやディナーに、ぜひお試しください。