昨今よく耳にするようになった「ワインペアリング」という言葉。
ワインと料理を組み合わせることを指し、ペアリングの目線でワインや料理を提案するワインショップやレストランも見るようになりました。
これとこれが合う、とすでに誰かが発見してくれた組み合わせなら安心ですが、自分で一から考えるとなると、「何が正解なんだろう?」と悩んでしまうこともきっとあるはず。
ペアリングは、少しのコツさえ覚えてしまえば、実は思っていた以上に簡単なものです。
モトックスのソムリエスタッフが実践している「ペアリングのコツきほん」は全部で4つ。
考えのポイントは、としては、「同調」・「中和」・「補填」・「食感」がポイントです。
今回は、ワインペアリングの基本第三弾として「補填」のペアリングについてご紹介します。
補填のペアリングとは?
一言でいうなら、「ワインの味わいが料理を補填し、一つのお皿に一味加える」組み合わせ。
ワインの要素が加わることで、料理にアクセントをもたらします。
補填のペアリングでは、料理を構築する素材の味わいをワインが生かすことで、料理の味わいをより鮮明に楽しむことができ、料理だけでは味わえない感動が生まれます。
合う可能性が高い組み合わせは?
「ワインで料理に一味加える」のが「補填のペアリング」でした。
イメージとしては、次のようなものが挙げられます。
・シンプルな魚料理 × 酸味と塩味のあるスパークリングワイン (魚介の味わいを生かす)
・甘酢を使った料理 × 甘味を感じるフルーティーでスパイシーな白ワイン (ワインの甘味とスパイス感が食材の旨味を引き出す)
・ジューシーな肉料理 × 果実味豊かな赤ワイン (ワインがソースの役割を演じ、お肉のジューシーさが倍増)
ワインの味が加わることで、料理の味わいがぐっと引き立つ組み合わせ。
「もう一味ほしいかもしれない」ときに、ワインで調整してあげるようなイメージです。
デミグラスソースをかけて食べたい料理には、ソースと同じくらい濃厚で甘みのある赤ワインを……など、ソースとしてワインを考えてあげると、ぐっとイメージしやすくなります。
「補填のペアリング」の具体例
① 真鯛のカルパッチョ × イタリア産の酸味と塩味のあるスパークリングワイン
シンプルな魚料理 × 酸味と塩味のあるスパークリングワイン のペアリング
ワインがもつレモンのような酸味と塩味を感じる味わいが、真鯛のカルパッチョに塩レモンのようなアクセントを加えてくれます。
レモンを搾って食べたいカルパッチョという料理にぴったりのペアリングです。
① 酢豚 × スペイン産の甘味を感じるフルーティーでスパイシーなワイン
甘酢の中華料理 × 甘味を感じるフルーティーでスパイシーな白ワイン
ワインのライチのような芳醇さとスパイシーさが、酢豚に甘味とアジアンスパイスのようなアクセントを加えてくれます。
ワインで甘味とスパイシーさを加えることで、ぐっと料理との相性が良くなる組み合わせです。
① ハンバーグ × 南仏産の果実味豊かな赤ワイン
ジューシーな肉料理 × 果実味豊かな赤ワイン
ワインのブラックベリーのような果実味と重厚感が、ハンバーグに濃厚な果実のソースをかけたようなアクセントになります。
「ワインがソースになる」を最も実感しやすいペアリングです。
ペアリングに100%の正解はない! 好みに合わせて、自由に楽しんで
4つある「ペアリングのコツきほん」のうち、今回は「補填のペアリング」についてお伝えしましたが、いかがだったでしょうか?
ぜひ、ご自身でもいろいろな組み合わせを試してみてくださいね。
人それぞれに味覚や好みは違うもの。実際に、合わせてみると「意外に美味しい!」と驚くような組み合わせもあります。ペアリングに100 %の正解はなく、それゆえに自由に楽しめるのも、ペアリングの魅力です。
次回は「ペアリングのきほん」第四弾として、「食感」のペアリングについてご紹介します。
「同調」・「中和」・「補填」と、一つずつお届けしてきた「ペアリングのきほん」もいよいよ次回の「食感」で最終回。
最後までどうぞお楽しみに!