生産者から現地情報をお届けします!
フランス南部ボージョレ地区の畑から6月と7月の現地情報が届きました。オジュー社や、テール・セクレット社をはじめとする生産者から2020年の『ボージョレ・ヌーヴォ』の作柄情報をお知らせいただきました。ブドウが育ってワインとなり日本に届くまでの状況を、数回に分けてお伝えしますのでよろしくお願いします。
2020年のボージョレ・ヌーヴォの解禁日は11月19日(木)
ボージョレ・ヌーヴォの解禁は、11月第3週の木曜日午前0時と定められています。今年は11月19日です。日本では、日付変更線の関係上、本場フランスよりも約8時間早く楽しむことができます。
1951年の法令で、AOCワインは12月15日以降にしか販売することができないことになりました。しかし、ボージョレの生産者から、『ボージョレのワインは新酒に適しているので早く販売したい』という申請をして、認可され解禁日が定められなくなりました。その後、1967年に11月15日に解禁日は固定されたのですが、1985年にまた、改定があり世界共通で現在の「11月の第三木曜日」となりました。
ボージョレ・ヌーヴォとは?
ボージョレ・ヌーヴォは、フランス南部ブルゴーニュ地方のボージョレ地区で、その年に収穫された「ガメイ種」というブドウから造られる新酒のことです。 「ヌーヴォ」は、フランス語で「新しい」という意味です。ボージョレ地区でその年に収穫されたブドウを使ったフレッシュな新酒ワインのことを『ボージョレ・ヌーヴォ』といいます。ほかにも、ブルゴーニュ地方マコネ地区の一部で収穫されるシャルドネ種から造られる白ワインの新酒マコン・ヴィラージュ・ヌーヴォもあります。
ボージョレ・ヌーヴォに合う料理
「ガメイ」というブドウ品種は、イチゴのキャンディーやフランボワーズのような可愛らしい香りが特徴的で、軽やかでフレッシュな果実味溢れる味わいが楽しめます。トマトや梅などの酸味が料理に加わると、ワインの酸味と寄り添い、相性がぐっと良くなります。「ガメイ」のフルーティで繊細な味わいなので、シーフードのサラダやさっぱりとした前菜もいいですよ。またボージョレ・ヌーヴォは渋みが穏やかなので、少し冷やすと、すっきりとした味わいを楽しめます。よろしければお試しください。
ボージョレ・ヌーヴォ2020年の出来は?生産者からの現地情報 2020年第一段!~冬から今時期まで~【7月某日更新)
ポール・ボーデ社
【ヌーヴォレポート7月】
2020年は比較的乾燥し穏やかだった冬、暖かい気候となった春が続き、順調に蕾がつき始めました。4月1日と2日は気温が-2度になり霜が降りましたが、私たちのブドウ畑は幸い土壌が乾燥していた為、難を逃れました。発芽もとても良く進みました。
5月には数日だけ涼しい日がありましたが、その後理想的ともいえる暖かく乾燥した日が続き5月22日頃より開花が始まりました。(2019年は6月7日に開花)
2020年最初の4ヶ月は例年よりも日照量がかなり多く、また5月6月に降った雨がしっかり土に蓄えられたためブドウが育つための準備がしっかりと整いました。
過去30年間の平均と比較して
・ 2020年上半期は平均気温が1℃高い
・ 累積雨量は40mm少ない
・ 日照時間は238時間多い
7月は、春先のように天気が良く日照量も十分です。7月21日、22日で30mmほどの雨と少しの雹も降りましたが、ブドウ畑には影響は全くありませんでした。
今日までに、ブドウ畑の状態は非常に良く、早い区画だと7月15日頃から果実の色づきも始まりました。2020年は、直近の3つの傑出したヴィンテージ(2009, 2010, 2011)、特に2011年にかなり近い素晴らしいヴィンテージとなると予想しています。
ジャン・ド・ロレーヌ(オジュー社)
【ヌーヴォレポート7月】
穏やかだった冬が終わり、4~5月も暖かく、乾燥した晴れの日が続く、天候に恵まれた季節でした。反対に6月初めは少し気温が下がり雨も降りましたが、その後晴れの日が続き焦げるような暑さが続きました。
冬から春にかけて晴れの日が多かったため、6月5~12日までの雨や寒さは、土壌にとっても良いものとなりました。ブドウ畑もとても健康的に育っています。
6月1日頃より開花が始まり、6月25日頃にはブドウの実がなり始めました。ここまでの成長は、20年の中で2007年、2003年に次ぐ3番目の早さになります。
現在の予想では、収穫は8月20日頃から開始する予定です。
契約のワイン農家の方々には安全に収穫出来るよう、コロナ感染予防の対策をしっかりと行う予定です。
2020年VTは素晴らしいものになると期待出来るでしょう!
【ヌーヴォレポート6月】
通常より早いスケジュールで開花が始まりました。
冬は畑に水分を沢山与えてくれ、乾燥した春はブドウの生育にとても良いものとなりました。
5月の雨量も程よく、これからの暑い夏に向けて水分をしっかり蓄えることが出来ました。そのお陰で理想的な状態で花が咲き始めています。
2020年が始まって今まで大きな嵐もブドウの病害も無く、完ぺきな状態でワイン造りが進んでいると言えるでしょう。
このまま順調にいけば、収穫は例年より早く、8月末から開始出来ると考えています。2000年または2011年のように早熟で早飲みのヴィンテージになりそうです。この2つのヴィンテージはボージョレ地区では素晴らしい年でした。2020年もこの2つに並ぶヴィンテージとなるように、私たちもベストを尽くしていきます。
こういった天候に恵まれたことも相まって、今年は例年より約2週間も早い10月12日にワイナリーからワインを出荷出来ることとなりました。解禁日は通常通り、11月の第三木曜日である11月19日を予定しています。
テール・セクレット社
【ヌーヴォレポート6月】
ここ数日、ブドウが育つ最適の天気(平均26度前後)が続いています。
今は開花も終わり、とても小さいですがブドウの実が付き始めました。今年はここ10年の平均より10日ほど、昨年と比べると15日も早い段階で成長が進んでいます。
区画間、または区画の中でも少し成長にばらつきが見られますが、これが大きく影響を与えないように、私たちは注視してブドウを管理していきます。
今のところ順調に作業が終わっているので、収穫まで上手く行くように願うばかりです。
2020年VTのヌーヴォがまた違った、素晴らしいものになるように私たちも気を抜かずに畑仕事を続けていきたいと思います。
2020年の『ボージョレ・ヌーヴォ』楽しみですね。生産者から情報が入り次第更新いたします!