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ボージョレ・ヌーヴォ2021年の出来は?生産者からの現地情報

ボージョレ・ヌーヴォ2021年の出来は?生産者からの現地情報

フランス南部ボージョレ地区の畑から、ブドウの作柄状況について、現地情報が届きました。
モトックス取り扱いボージョレ・ヌーヴォの生産者であるポール・ボーデ、ジャン・ド・ロレーヌ、テール・セクレットがレポートに協力してくださいました。
まずは2021年7月までの作柄情報をお伝えいたします。

【2022年】ボージョレ・ヌーヴォの記事はこちら

ボージョレ・ヌーヴォ2022年の出来は?生産者からの現地情報【2022年11月17日解禁】

2021年、生産者から現地情報

生産者から現地情報をお届けします!
フランス南部ボージョレ地区の畑から、ブドウの作柄状況について、現地情報が届きました。
モトックス取り扱いボージョレ・ヌーヴォの生産者であるポール・ボーデ、ジャン・ド・ロレーヌ、テール・セクレットがレポートに協力してくださいました。
まずは2021年7月までの作柄情報をお伝えいたします。

2021年のボージョレ・ヌーヴォの解禁日は11月18日(木)

ボージョレ・ヌーヴォの解禁は、11月第3週の木曜日午前0時と定められています。今年は11月18日です。日本では、日付変更線の関係上、本場フランスよりも約8時間早く楽しむことができます。



1951年の法令で、AOCワインは12月15日以降にしか販売することができないことになりました。しかし、ボージョレの生産者から、『ボージョレのワインは新酒に適しているので早く販売したい』という申請をして、認可され解禁日が定められなくなりました。その後、1967年に11月15日に解禁日は固定されたのですが、1985年にまた、改定があり世界共通で現在の「11月の第三木曜日」となりました。

ボージョレ・ヌーヴォとは?

ボージョレ・ヌーヴォは、フランス南部ブルゴーニュ地方のボージョレ地区で、その年に収穫された「ガメイ種」というブドウから造られる新酒のことです。 「ヌーヴォ」は、フランス語で「新しい」という意味です。ボージョレ地区でその年に収穫されたブドウを使ったフレッシュな新酒ワインのことを『ボージョレ・ヌーヴォ』といいます。ほかにも、ブルゴーニュ地方マコネ地区の一部で収穫されるシャルドネ種から造られる白ワインの新酒マコン・ヴィラージュ・ヌーヴォもあります。

ボージョレ・ヌーヴォに合う料理

「ガメイ」というブドウ品種は、イチゴのキャンディーやフランボワーズのような可愛らしい香りが特徴的で、軽やかでフレッシュな果実味溢れる味わいが楽しめます。トマトや梅などの酸味が料理に加わると、ワインの酸味と寄り添い、相性がぐっと良くなります。「ガメイ」のフルーティで繊細な味わいなので、シーフードのサラダやさっぱりとした前菜もいいですよ。またボージョレ・ヌーヴォは渋みが穏やかなので、少し冷やすと、すっきりとした味わいを楽しめます。よろしければお試しください。

ボージョレ・ヌーヴォ2021年の出来は?生産者からの現地情報

ピエール・マリー・シェルメットから、 2021年の収穫を迎えた今、コメントが届きました。1

「ボージョレ希望の光」と絶賛される正真正銘のボージョレ・トップ生産者「ピエール・マリー・シェルメット」。
ヌーヴォに使われるガメイ収穫の様子と、コメント動画が届きました。

Pierre Marie Chermette ピエール・マリー・シェルメット
17世紀から続く家族経営のドメーヌで、1982年に現当主であるピエール=マリー・シェルメット氏がワイン造りを開始しました。
特筆すべきは、化学薬品・除草剤の不使用、自然酵母の採用など、当時としてはいち早く自然に配慮したブドウ栽培に着手していたこと。
健康なブドウを育てること、をゴールとし、ワイン造りにおける「人間による介入」を最小限に留め、ワインに現れるテロワールを最大限に引き出すことにフォーカスしています。

写真はヌーヴォに使われるガメイ収穫の様子です。

最新の動画はこちら。

ピエール・マリー・シェルメットから、8月までのレポートが届きました

<ピエール・マリー・シェルメット>

【ヌーヴォレポート6月時点】

ブドウ畑は非常に良い状態です。4月に霜が降りましたが、当社の畑で被害を受けたのは10%のみでした。
6月中旬に開花し、90日後にブドウの実が熟し始めたことから、収穫は9月中旬になると予測されます。
十分な雨量と暑さのお陰で、ブドウ樹は全く病気もなく非常に良い状態で成長しています。

今年は、サン・ヴェランのヴィスー集落にある一区画で初めて馬による耕転を行いました。その後、農薬を使わないように雑草を生やしました。



【ヌーヴォレポート7月時点】

(4月の)霜による10%の収穫減とは別に、天候不順のため少し影響を受けました。
ブドウ果の量は適正ですが、区画によって差が生じています。
春から7月末までずっと湿度が高かったため除葉を行い、通気と日照を良くすることでブドウ果の成熟を促しました。



【ヌーヴォレポート8月時点】

ブドウ果は色付きを始めており、9月15日から20日の間に完熟すると予測しています。
今年の収穫は9月10日頃にクレマン・ド・ブルゴーニュ用のブドウから始める予定です。
今のところの天候は湿度が低く冷涼です。これはブドウ果の成熟にとって非常に重要な条件となっています。

2021年第一段!~冬から今時期まで~【7月までのレポート 】

<ポール・ボーデ社>

【ヌーヴォレポート7月】

■ 温暖で日照の多かった冬

2021年1~3月の概要
・平均気温:例年よりわずかに高い(+0.4℃)
・雨量:平均に比べて18mm増
・日照:平均に比べて56時間増
これにより、2019年・2020年よりも早く4月初旬に発芽しました。



■ 冷涼で雨がよく降った春

4/8頃に大量の霜が降り、今までに見た事がないほど大部分の畑に影響が出ました。2017年・2019年の霜害を経験しているので霜には慣れていますが、今年は異常に長時間にかつ集中的に霜が降りました。4/8は特に寒く、マイナス8.1℃まで冷え込むこともあり、今まで最も低い気温となりました。

5月はボージョレとマコネーでの気温は低めで雨量が多く、そのためブドウ樹の成長サイクルが遅くなりました。年初からの雨量は5月末の時点で例年よりも100ミリ超えていました。この気候により、畑での作業や対策は困難なものになりましたが、この雨により地中に浸み込んだ水分が暑い夏を乗り越えるのに役に立つことになります。

6月に入ると好天が戻り、気温も高くなりました(6/15で35℃)。これが開花にとって完璧な条件となりました(開花:6/12)。不運なことに、ボージョレの畑は6月、7月、と2回雹に見舞われ、地区の北部・南部両方に被害をもたらしました。4月と6月の天候不順により2021年の収穫は例年より少なくなると予測されています。

4~6月の概要
・平均気温:14.2℃、例年より少し低い(-1.2℃)
・雨量:310mm、例年よりも非常に多い(114mm増)
・日照:696時間、例年よりも少し長い(56時間増)

この3カ月でたくさん雨が降ったことで、ブドウ樹はすくすく成長し、葉も茂っています。これから8月を迎えますが、好天が戻り、ブドウの成熟に良いサイクルに入ることができるよう忍耐強く見守っています。



■ 収穫日はどうなる?

昨年の収穫よりも遅い「9月中旬」と予測しています。

<ジャン・ド・ロレール(オジュー社)>

【ヌーヴォレポート7月】

2021ヴィンテージは悪天候の危険があったにも関わらず、ボージョレの畑では順調に成長しています!

年初は非常に乾燥しており比較的温暖だったのですが、3月に入ると我々も驚くほど温かくなり、早くも発芽しました。
しかし、4月上旬には今までに経験したことがないほど冷涼で深刻な霜に見舞われました。

5月と6月は雨がちで、しかも5月半ばから6月半ばにかけて暑くなり、30℃を超えることもありました。そのためブドウ樹は急速に成長しました。この2カ月に雨が十分降ったおかげで初夏の暑さが和らぎました。

6月には晴天と気温が戻り、ブドウの開花にパーフェクトな状態となりました。
この良い気候の下、現在ブドウ栽培家たちは注意深く観察しながら、ブドウ樹の成長を見守っています。

霜や雹に見舞われたことを考えると、2021ヴィンテージの収穫は少なくなるのではないかと予測しています。しかしながら、ブドウ樹の健康状態は非常に満足な状態です。

収穫開始は9月10日から15日頃を予測しており、例年どおり理想的な日取りです。

<テール・セクレット社>

【ヌーヴォレポート7月】

この数週間は強い大気の乱れが見られました。観測所で計測された降水量は日によって大きく変化しており、このことからも雨がちで暴風雨の多い天候であったということがうかがえます。

北部から南部の全体にかけて雨量は増えており、マコネー地区南部では7月1日から平均80~100mmの雨量 ※ を記録しています。
平均気温は20℃で、日によって変わりやすい天気ではありますが、ブドウの樹は安定して成長を続けています。

Bunch Closure(ブドウの一粒一粒が成長し、房の中で粒と粒が触れ合いだすこと)は中盤にさしかかり、成長の遅い区画は早い区画と比較すると7日ほど遅れています。

マコン・ヴィラージュの収穫量は日によって大きく差が出るでしょう。

今の段階では収穫日を予測することは難しいですが、収穫できる量(房)が少ないブドウ樹は9月上旬、より量が多く収穫できる樹は9月中旬から下旬に収穫する予定で計画を進めています。

マコン・ヴィラージュのブドウの健康状態も区画によって差があり、畑によっては目に見えて葉に被害を受けているところもあります。幸いなことにブドウの房はほとんど被害を受けていないように見えますが、あと数日後に再確認できると思います。

スタッフ一同、好天と季節に合った本来の気温が戻り、2021ヴィンテージの特徴がより分かるようになることを祈っております。

(※ ちなみにフランスの平均降水量は700mm、地域による差は500~1200mmと言われているので、7/1~7/15までで80~100mmとなると短期間でかなりの雨が降ったといえると思います)

2021年の『ボージョレ・ヌーヴォ』楽しみですね。生産者から情報が入り次第更新いたします!

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