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【過去記事2023年】イタリアワインの新酒「ノヴェッロ(Novello)」とは?解禁日は?輸入元が教える現地情報

【過去記事2023年】イタリアワインの新酒「ノヴェッロ(Novello)」とは?解禁日は?輸入元が教える現地情報

イタリアの新酒ワイン「ヴィーノ・ノヴェッロ(Vino Novello)」。その年に収穫したブドウでつくられるフレッシュなワインです。ノヴェッロの生産者から2023年最新の現地情報をお伝えいたします!

「ヴィーノ・ノヴェッロ(Vino Novello)」とは?

その年に収穫されたブドウを使い、イタリア各地でつくられる個性豊かな新酒ワインのことです!
ヴィーノ(vino)は『ワイン』、ノヴェッロ(novello)は『新しい』。フランスではボージョレ産が有名な「ヌーヴォ」と呼ばれるのと同じカテゴリーになります。

熟成させずに飲むワインの新酒は、果実味が豊かでとても新鮮な味わい、飲みやすい口当たり。日本にも航空便で輸入されるので、秋の解禁と同時に楽しむことができます。

ノヴェッロの解禁日

ノヴェッロの解禁日は毎年10月30日です。

現在のように10月30日となったのは2012年から。
それまでの解禁日は11月6日でした。変更のきっかけになったのはその時施行された新DOP、IGPというワイン法。イタリアの担当行政局(いわゆる農林水産省のようなところ)がそれまでのノヴェッロの取り決めと、新しいワイン法を一律にして単純化させました。

■ ワインの新酒もいろいろ。一番早く解禁されるのがノヴェッロ!

「新酒」と呼ばれているワインは世界各地にあります。
各国の有名な新酒ワインと解禁日はこちらです。

ワインの種類 生産国 解禁日
ヴィーノ・ノヴェッロ (Vino Novello) イタリア 毎年10月30日
ボージョレ・ヌーヴォ(Beaujolais Nouveau) フランス 毎年11月第3週の木曜日
デア・ノイエ(Der Neue) ドイツ 毎年11月1日
ホイリゲ(Heurige) オーストリア 毎年11月11日
山梨ヌーヴォー 日本 毎年11月3日

「ボージョレ・ヌーヴォ(Beaujolais Nouveau)」

フランスのボージョレ地区でつくられる、主にガメイ種からつくられる赤ワイン。日本でも有名ですね。こちらの解禁日は毎年11月の第3木曜日です。

「デア・ノイエ(Der Neue)」

ドイツでつくられる新酒です。解禁日は毎年11月1日です。

「ホイリゲ(Heurige)」

オーストリアでつくられる1年未満のワインのこと。解禁日は毎年11月11日です。

「山梨ヌーヴォー」

日本の山梨県でその年に収穫されたブドウ(白ワインなら甲州、赤ワインならマスカット・ベーリーA)でつくられたワイン。解禁日は11月3日です。

これまでに挙げた新酒の中でもノヴェッロが10月30日解禁と一番早いのがわかります。
2023年新酒の幕開けをノヴェッロで楽しみましょう♪

■ ノヴェッロ解禁!カウントダウン時はご注意を!

フランス産ヌーヴォの解禁は午前零時。しかし、ノヴェッロの解禁は零時1分なんです!

生産者がワインのラベルに『novello』の記載をするためには、イタリアのワイン協会(UIV)に申請を出す必要があるのですが、この申請期限が『10月30日になるまで』と定められているからです。 申請期限と解禁が重なってしまわないように、申請00分まで、解禁は01分となっているそうです。

正確な解禁は、『10月30日 0:01』なので、お間違いないように。

ノヴェッロのルールあれこれ

  • ヴィーノ・ノヴェッロは、イタリアの原産地呼称ワイン『DOCG』『DOC』『IGT(IGP)』ワインにのみ表記が許可されています。
  • ラベルに収穫年を表示しないとルール違反になります。
  • 醸造期間は醸造開始から10日以内の制限あり。短い期間でつくらなければなりません。
  • 炭酸ガス浸漬法(マセラシオン・カルボニック)で造られたワインが40%以上含まれていること。
  • アルコール度数は11%以上、残存糖分10g/L以下(消費時で)。
  • 収穫した年の12/31までに瓶詰すること。解禁日に間に合わせなればならないというわけではないのですね。

ノヴェッロってどんなワイン?産地とブドウ品種

ノヴェッロで使用するブドウ品種や産地は細かく決まっておらず、その地域にある地ブドウを用いてつくられます。
モトックスで取り扱いのある「コンティ・ゼッカ」社では、プーリア州で栽培されているプリミティーヴォとネグロアマーロを使用しています。

ノヴェッロとのマリアージュ~現地で合わせる食事~

【カスターニェ /Castagne (焼き栗)】

現地ではノヴェッロと言えば焼き栗、というくらい最高の組み合わせ食材です。昔はどの家にも暖を取ったり煮炊きする炉がありました。そこで焼き栗を焼きながら新酒を楽しむ伝統があります。
毎年行われている新酒祭でも焼き栗とその年のノヴェッロを楽しむことができます。

【ピットゥーレ/ Pittule】

プーリア州の代表的な軽食で、小麦粉を練ったものを揚げた一口サイズのパン。基本的には塩味だけなのですが、海苔やローズマリーで味付けしたものなど、色々なバリエーションのものがあります。
昔から食べられている素朴なおやつで、シンプルだけど懐かしい味わい。焼き栗と共にノヴェッロととても相性のいいお料理です。

【ソフリット・ディ・チーマ・ディ・ラーパ / Soffritto di cima di rapa(チーマ・ディ・ラーパの炒めもの)】

日本の菜の花に似た野菜ですが、チーマ・ディ・ラーパの方がより苦味があります。苦味のある野菜とわずかに甘いポテトのピューレを一緒に食べるとバランスが非常にいいです!
日本だとブロッコリーでも代用できます。現地では青菜はクタクタになるまで茹でるので、ブロッコリーも塩をたっぷり入れたお湯でしっかりと茹でるのがイタリア式!そのあとに塩とニンニクで炒めるとノヴェッロと相性が良くなります。

【ポルペッティーネ・アル・ポモドーロ / Polpettine al pomodoro (ミートボールのトマト煮込み)】

日本人のカレーライスやハンバーグのように誰からも愛されるイタリアの国民食。典型的な家庭料理で各家庭にマンマの味があります。

2023年の現地情報 / プーリア州(コンティ・ゼッカ)

NEW! (10/26 Final)

もうすぐ解禁。ワインは無事に日本に到着しています

ワイナリーのオーナー、クレメンテ・ゼッカ氏からワインの出来栄えについてコメントが届きました。
(補足:ワイン造りがスタートするため、収穫が終わるとワイナリーは最も忙しい期間に入ります。解禁日の決まっているノヴェッロの出荷を終えると生産者は少しほっとします。通常のワイン造りも始まっていますので、ほんの束の間ですが)

「2023年も大変良好な収穫となりました!一年を通して理想的な天候に恵まれ、健全で完熟したブドウを収穫することができたことは前回のレポートでお伝えした通りです。おかげで今年もフレッシュで果実味が凝縮し、いきいきとしたタンニンをもつ素晴らしい新酒が出来上がりました。色は紫がかった明るいルビーレッド、香りは新鮮なストロベリー、ラズベリー、ブルーベリーのしっかりとしたアロマ、口に含むと爽やかな酸とソフトなタンニンのバランスが良く、とても飲み心地がよいフレッシュなワインとなりました。
14~16℃くらいのやや冷やした状態で飲むことをお勧めします!今年もコンティ・ゼッカの新酒と共に秋の訪れをゆっくりとお楽しみください」

9月 収穫レポート

6月末から現在まで、ワイナリーのあるサレント半島には熱波の影響はなく大変良い天候に恵まれました。日中は平均30℃程、夜は19℃まで下がってブドウの生育、完熟に理想的な気温となりました。

ノヴェッロに使用している『プリミティーヴォ』の収穫は8月29日から9月6日、『ネグロアマーロ』は9月15日から9月18日に行いました。春先の天候の影響で例年より果実が小さめのものが多く、収量は昨年に比べ約20%減となりましたが、収穫されたブドウは健全に完熟しており、できあがるワインは、フルーティさが凝縮しフレッシュな酸味とタンニンが心地よい、香り豊かなものになると期待しています。

今年も素晴らしい収穫年となり私たちコンティ・ゼッカは大変満足しています!

8月のレポート

8月現在、イタリアでは40℃を超える強烈な暑さを記録している地域もありますが、ワイナリーのあるサレント半島レベラーノでは『マエストラーレ』という乾燥した北西風が暑さを軽減してくれるため、熱波は観測されておらず、例年通り良好な天候に恵まれています。日中は33℃まで上がり、夜間は20℃まで下がります。

ブドウの成熟状況は今のところ申し分ありません。今年もまたしっかりと完熟したブドウが収穫できる素晴らしい年となると予想しています。



マエストラーレ(maestrale)とはイタリアで北西から吹く地方風。「主(マエストロ)の風」という意味で、アドリア海、イオニア海などイタリア周辺海域にて船乗りがローマやヴェネツィアの方角から吹く風を、そこに住むマエストロに敬意を示してそう呼んだと言われる。日本ではフランス語での名前ミストラルのほうが有名。 Wikipediaから転載。


プリミティーヴォの色づき

ネグロ・アマーロ

7月のレポート

プリミティーヴォの様子

冬は穏やかな気候で始まり、3月から6月まで同様に落ち着いた気候が続きました。十分な降雨のおかげで乾ききった土壌が潤い、夏に備えて十分な水分を土壌に蓄えることができました。

コンティ・ゼッカのあるサレント地方でもここ数日、例年の平均気温を上回る高温が続いており、早朝は25℃、午後は36℃にまで達し(平均は最高30℃程)、夜間は19-20℃まで下がります。来週以降は平均的な気温に戻る予想です。

強い太陽光からブドウを守るため必要に応じて対策しており、ブドウは健全な状態で育っています。収穫量は昨年に比べ減る見込みですが、品質的には安定した良い収穫が期待できそうです。

ネグロ・アマーロ

「ノヴェッロ」商品詳細はこちら

※最新のヴィンテージが表示されています。

関連コラム




参考
宮嶋 勲/『イタリアワイン 2021年版』/ワイン王国/2021年
一般社団法人日本ソムリエ協会/『日本ソムリエ協会 教本2018』/一般社団法人日本ソムリエ協会(J.S.A.)/2018年

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