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レポート

【世界のワイナリー見学⑦】ウルグアイ / プロジェクト・ナッカル編

【世界のワイナリー見学⑦】ウルグアイ / プロジェクト・ナッカル編

モトックスでは、世界中のワイナリーから厳選したワインをお客様にお届けするインポーターとして、ワインの魅力をより深く理解し、お客様に最高のワインをお届けするために、定期的にワイナリーを訪問しています。

今回は、ウルグアイのワイナリー『プロジェクト・ナッカル』をご紹介します。

ウルグアイとは

「ウルグアイってどこよ?」

「パラグアイの下だよ」

「パラグアイってどこよ?」

「ボリビアの下だよ」

「ボr…」

──なんて会話が聞こえてくるとかこないとか。

というわけで、そもそもウルグアイがどんな国なのかピンとこない方のために、まずはウルグアイについてご説明いたします。

場所


ウルグアイは、南アメリカ大陸の南東部に位置する小さな国。南はラプラタ川を挟んでアルゼンチンと向かい合い、東にはブラジル、西にはアルゼンチン、そして南側には大西洋が広がっています。

「ブラジルの下でアルゼンチンの右上」が覚えやすいのではないでしょうか。

基本情報


・首都:Montevideo(モンテビデオ) ウルグアイの南側
・人口:350万人(そのうち50%が首都のモンテビデオに住んでいる)
・公用語:スペイン語
・通貨:ウルグアイ・ペソ
・ワイナリーの数:約80社

代表的な食事


① アサード
伝統的な炭火焼の牛肉や羊肉。
ちなみに他の南米でもアサードはありますが、他は炭を使用するのに対し、ウルグアイは薪で火を焚いて肉を焼きます。

ウルグアイの下にあるアルゼンチンでもアサードは食べられています。

》アルゼンチンワインとアサード

②ドゥルセ・デ・レチェ
キャラメルクリーム。ピーナッツバターみたいな感じ。ウルグアイで食事したデザートにはすべて使用されてました。

③マテ茶
ウルグアイの伝統的な飲み物で、日常に深く根付いています。街のあちこちで、マテ茶を片手に歩く人の姿をよく見かけました。

産業


牛肉が超有名です。なんと全国に1,200万頭もの牛がいて、これは人口の約4倍というから驚きです。

年間60万トン以上の牛肉を生産しており、しかもすべて100%草で育った放牧牛。
実際、現地を車で走ると、窓の外にはどこまでも広がる牧草地と、のんびり草を食べる牛や馬の姿が続いていました。

プロジェクト・ナッカルとは

現在、モトックスが取り扱っているウルグアイのワイナリーは4社ありますが、その中でも特にナチュラルワインに力を入れているのがこちらのワイナリーです。

設立当初から「二人で始めた」と聞いていましたが、今も変わらず二人だけでワイン造りを続けている、まさにマイクロワイナリーでした。

(写真左)サンティアゴ氏、(写真右)ニコラス氏

場所


首都モンテビデオのメインエリアから車で35分くらいのところにある、カルロネスというエリアにあります。

ちなみにウルグアイの他のワイナリーであるボウサ、ピッツォルノも同じエリアでそれぞれ車で20分圏内にあります。(どちらも訪問済みでして、レポートは鋭意制作中)

プロジェクト・ナッカルのブドウ畑と品種

ブドウ畑


土壌は粘土質。認証はありませんが、有機農法で栽培しています。現在の生産本数は30,000本。

2025年の情報としては、例年よりも暑かった年でドライフルーツのような感じも一部ありますが、全体的に良い年になる!とのことです。

ミュスカ・オットネル


現在取扱している、【ナッククール ヴィーノ ブランコ】と【シンプル ペット・ナット ブランコ】に使用されている、ミュスカ・オットネル。

実はウルグアイの中でも、たった3haしか植えられていません。そして、そのうちの1ha分をナッカルが造っています。

ブドウの特徴としては、小粒のマスカット系でフローラル。酸も高め。

ナッカルでは、味わいにしっかりとした酸を出す為に、1月末から2月の頭に収穫されています。(北半球でいうと、7月末から8月頭にあたりますので結構早めだと思います)。

タナ


当社でも販売している【スエルト タナ】に使われているタナ。

原産はフランスの西南地方ですが、ウルグアイの黒ブドウのメインは昔からタナです。(アルバリーニョもここ最近)。

夏は気温が35度以上になるので、熟度が高く、果実味がしっかりしたフルーティーな味わいに仕上がります。

ナッカルのタナはコンクリートタンク醗酵熟成なので、特にフレッシュな味わいに仕上がっています。

ワイナリー(COLORADO CHICO)

ナッカルは自社ワイナリーを持っておらず、間借りをしてワイン造りを行っています。

このCOROLADO CHICOは、ナッカルの2人のような少人数で造っているプロジェクトの生産者が他にも3社あり、皆でこのワイナリーを使用しています。

セメントタンク


入ってすぐにあるセメントタンク。年季が入ってますが現役です。

プラスチックタンク


セメントタンクの反対側には、ポリカーボン製のプラスチックタンク。醗酵槽もプラスチックタンクを使用していました。

冷却時はタンクにシートを巻いて冷やせるようにしていました。

手前の醗酵槽でピジャージュ体験。これめちゃくちゃ重たかったです。

ピジャージュ(Pigéage)とは、ワインの醸造において、タンク内の果皮や種子などの固形物を撹拌する作業のこと。色素、タンニン、香り成分等を抽出するのが主な目的です。

エッグ型タンク


ポリオレフィンのプラスチックタンクです。

このタンクでは、ソーヴィニヨン・グリやオレンジワインが造られていました。ワインがよく循環する構造になっていて、品質にも良い影響を与えるのだそうです。

エッグタンクとアンフォラ(素焼きの壺)は、それぞれ2基ずつしかなく、生産量もごくわずか。
そこで造られる泡・白・赤ワインは、いずれも驚くほどクリーンな味わいでした。

ワインの多くはSO₂(亜硫酸塩)無添加で造られていますが、「健全な状態で飲んでもらうために必要なら、ボトリング時に少量加えるのも悪いことではない」という、柔軟で実用的な考え方が印象的でした。

夕食


醸造施設などを見た後はワイナリー内にあるショップ内で食事をしました。

ナッカルのワインを飲みながら、夕食へ。

伝統的なアサードを食べ感動しました。

ちなみにお昼もアサード。翌日もアサード。最終日までアサードでした。。。

まとめ

現在、日本で手に入るウルグアイ産のナチュラルワインは、この「ナッカル」だけ。まさに唯一無二の存在です。

近年、日本のナチュール市場では価格が高騰しており、2,000〜3,000円台で手に入る本格派ナチュールは、かなり少なくなってきています。

そんな中でナッカルは、この価格帯で購入できる貴重な一本。まさに今の市場が求めている、ど真ん中の存在といえるでしょう。

2020年に設立されたばかりの新しいワイナリーで、常にチャレンジ精神を忘れない注目の生産者です。

お店で見かけたら、ぜひ手に取ってみてください!

ウルグアイ
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Proyecto Nakkal Wines

プロジェクト・ナッカル

Proyecto Nakkal Wines

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