ワインに『賞味期限』はありません
ワインのラベルを見て、「どこにも賞味期限が書かれていない~」 と思ったことはありませんか?実はワインに賞味期限はないんです。未開栓の状態であれば、長い間保管したことによる身体への悪影響はありません。
ワインは腐りませんか?
はい、ほぼ腐りません。
「腐る」というのは食品・飲料に微生物が作用して変質してしまうことです。
身体に有益なら「醗酵」になり、不利益なら「腐敗」です。ワインはアルコールを含むため、微生物が非常に増殖しにくい状態にあります。アルコールを変質させる微生物、たとえば代表選手の酢酸菌ですら空気を好むため瓶内は増殖しにくいのです。
長く熟成させれば、させるほど美味しいの? 答えは、No!
賞味期限がないのであれば、寝かせればそれだけ美味しくなるのでしょうか?
答えはNo!です。
ワインには「早く飲んだ方が良いもの」 と「じっくり熟成させた方が良いもの」があります。
熟成させるには、ワインに適した環境が必要ですし、どんなワインにだって「寿命」もあります。飲み頃時期が異なるため美味しさのピークを越えてしまうと、美味しさが失われます。
ワインのタイプ別「寿命」の違いをご紹介
ワインのタイプ別に「飲み頃」とされる時期を大雑把にまとめました。
- 新酒(ヌーヴォ・ノヴェッロなど)・・・・6ヶ月以内
- 軽いタイプの白・ロゼ・・・・・・・・1年~2年
- 軽いタイプの赤・・・・・・・・・・・1年~3年
- ややコクのある白・ロゼ・・・・・・・2年~5年
- ややコクのある赤・・・・・・・・・・2年~8年
- コクのある白・・・・・・・・・・・・3年~15年
- コクのある赤・・・・・・・・・・・・3年~50年
- 貴腐ワイン・・・・・・・・・・・・・3年~80年
- 一般的なスパークリングワイン・・・・6ヶ月以内
- ヴィンテージが表記されているスパークリングワイン、ヴィンテージが表記されていないシャンパン(シャンパーニュ)・・・1年~2年
- ヴィンテージが表記されているシャンパン・・・3年~15年
色が濃いと、熟成に向く場合が多い
ワインの色が濃いと熟成に向いたワインである傾向があります。
白ワイン、スパークリングワインの場合
- 透明に近い、緑かかっている・・・・・・・若いうちが美味しい
- 黄色がかっている、金色・・・・・・・・・熟成させても美味しい
- べっこう色~茶色・・・・・・・・・・・・既に熟成している
赤ワインの場合
グラスの向こう透けて見える、涙が短い・・・・・若いうちが美味しい
光が透けない、黒っぽい、涙が長い・・・・・・・熟成させても美味しい
液体のふちが茶色っぽい・・・・・・・・・・・・既に熟成している
保存環境
ワインの熟成が進むスピードは、保存状態によって大きく変わってきます。
ヴィンテージ(原料ブドウの収穫年)の記載があるワインを最適な状態(振動と温度変化の少ない冷暗所)で保存した場合の大まかな飲み頃時期をご紹介しました。迷ったときは一応の目安にご判断ください。