1. Home
  2. Column
  3. ワインの「辛口」「甘口」の違いは?好みのワインの選び方
ワインのキホン

ワインの「辛口」「甘口」の違いは?好みのワインの選び方

ワインの「辛口」「甘口」の違いは?好みのワインの選び方

ワインには「甘口」「辛口」があります。その違いはどこで生まれるのでしょうか?違いの説明をはじめ、見分け方やおすすめのワインをご紹介いたします。

ワインの「甘口」「辛口」とは?

「甘い」は、砂糖をなめればその感覚がわかります。しかし対義語の「辛い」という言葉には

  • 唐辛子の刺激(hot)
  • ワサビの刺激(これもhot)
  • 塩味・しょっぱい(salty)
  • 甘味が少ない(dry)

のように、いろんな種類があります。
ワインの『甘口』『辛口』は、「甘さが多い・少ない」の違いが大きなポイントです。 

残糖って?なぜ『残』糖なのか

この違いはワインの『残糖量』によって起こります。
ワインはブドウに含まれる糖分を酵母が醗酵し、アルコールと二酸化炭素に分解することでできるお酒です。もとの糖分がどのくらい残るかによって、ワインの味わいが決まるのです。

甘口ワインを造る場合は、目的とした甘さになった段階で醗酵を止めます。残った糖分が「残糖」で、残糖が多いほど甘いワインになります。
辛口を造る場合は酵母の醗酵を止めません。醗酵が進んで糖分が少なくなり、甘味は減っていきます。残糖が少ないため、辛口ワインが出来上がります。

「ボディ」とは何が違うの?

「甘口」「辛口」以外にも、ワインの味わいの違いを「ボディ」という言葉で表現することがあります。

この「ボディ」は主に赤ワインで使われる表現です。赤ワインはそのほとんどが「辛口」ですので、甘さ・辛さを表現する必要は大きくありません。代わりに味わいの「強さ」や「コク」を表す「ボディ」が用いられます。甘辛表現をするのは例外的な甘口赤ワインの場合くらいです(以下は一例)。

※白ワインは「甘口」「辛口」による表現が主流ですが、コクのある白ワインのことを「フルボディ」、軽快で爽やかな場合に「ライトボディ」と表現こともあります。

味わいの違いは?

白ワインを例に、味わいの違いをみていきましょう。

【甘口ワイン】


甘口のワインにはブドウがもつ果実由来の甘さが残されています。味は全体的にまろやかでフルーティーさが持ち味。お酒初心者でも比較的飲みやすい味わいです。リースリング、シュナン・ブランなどのブドウ品種が甘口ワインとして有名です。

【辛口ワイン】


ブドウのもっていた大部分の糖分が醗酵によってアルコールに変化し、甘味が少ないキリっと引き締まった味わいになった状態。スッキリしているので食事と合わせるのであれば辛口が好まれることが多いです。シャルドネやソーヴィニヨン・ブランなどの王道品種は辛口がほとんどです。

それぞれに魅力がありますが、市場に出回っているワインは圧倒的に「辛口」。「甘口」に出会ったらぜひお試しいただきたいです。飲み比べてお好みのワインを選ぶのも楽しいですよ。

「甘口」「辛口」の見分け方

ワインの甘口・辛口はどこで見分けたらいいのでしょうか?
ワインの味わいには「極甘口」「甘口」「やや甘口」「やや辛口」「辛口」と表記されている場合があります(モトックスの商品は、このwebサイトの商品詳細でご確認いただけます)。
しかし、すべてのワインラベルに記載があるわけではありません。

もう一つヒントとなるのは『アルコール度数』。先ほど述べたように、ワインは醗酵が進むほど糖分がアルコールに変化します。アルコール度数が高くなれば残糖が少なくなるため、辛口のワインは甘口よりもアルコールが高めになる傾向があります。甘口の中でアルコール度数が高い「極甘口」のワインを例外とすれば12.5%以上の度数のワインは、その多くが辛口と考えてよいでしょう。

スパークリングワインであれば呼び方で見分けられる!?

見分け方でモヤモヤしてしまった方に朗報です。
スパークリングワインであれば、どれが甘口か辛口か、はっきりと区別することができます。
それは、「呼び方が異なる」からです。

スパークリングワインに含まれる『炭酸』には甘味を感じにくくさせる特性があります。そのため製造工程の最後に甘さを補う「ドザージュ(Dosage)」という工程があります。ワイナリーごとにレシピが門外不出と言われる甘い「門出のリキュール」を加えます(おしゃれ!)。甘さを追加調整することで、スパークリングワインに味わいのコク、ボリュームが生まれます。

ワイン1Lあたりの残糖量(グラム)によって付ける名前が決まっており、ラベルに記載されます。

残唐量3g/L未満 Brut Nature(ブリュット・ナチュール)
Pas Dose(パ・ドゼ)
Dosage Zero(ドザージュ・ゼロ)
残唐量0〜6g/LExtra Brut(エクストラ・ブリュット)
残唐量12g/L未満Brut(ブリュット)
残唐量12〜17g/LExtra Dry(エクストラ・ドライ)
残唐量17〜32g/LSec(セック)
残唐量32〜50g/LDemi-Sec(ドゥミ・セック)
残唐量50g/L超Doux(ドゥー)

上記はEU共通の規定のため、フランスをはじめドイツやイタリア、スペインなどでも適用されています。呼び方が少し変わりますが基本は同じです。

  イタリア スペイン ドイツ
残唐量3g/L未満 Brut Nature(ブルット・ナトューレ) Brut Nature(ブルット・ナトゥーレ) Brute Nature(ブリュット・ナトゥア)
Naturherb(ナトゥアヘルプ)
残唐量0〜6g/L Extra Brut(エクストラ・ブルット) Extra Brut(エクストラ・ブルット) Extra Brut(エクストラ・ブリュット)
残唐量12g/L未満 Brut (ブルット) Brut (ブルット) Brut (ブリュット)
残唐量12〜17g/L Extra Dry(エクストラ・ドライ) Extra Seco(エクストラ・セコ) Extra Trocken(エクストラ・トロッケン)
残唐量17〜32g/L Secco(セッコ)
Dry(ドライ)
Asciutto(アシュット)
Seco(セコ) Trocken(トロッケン)
残唐量32〜50g/L Semi Secco(セミ・セッコ)
Abboccato(アッボッカート)
Semi Seco(セミ・セコ) Halbtrocken(ハルプトロッケン)
残唐量50g/L超 Dolce(ドルチェ) Dulce(ドゥルセ) Mild(ミルト)

おすすめ甘口ワイン

世界的に人気の甘口スパークリングワイン。飲みやすさ抜群です。

モモのような洗練されたアロマのドイツワイン。上品な甘みです。

トロピカルフルーツを連想するフレッシュなワイン。アルコールは5%と控えめです。

おすすめ辛口ワイン

スタンダードクラスながら、グラン・クリュとプルミエ・クリュを50%使用。シャンパーニュでも屈指の高い比率を誇ります。

きれいな酸と柔らかな口当たりが魅力の、スッキリとドライな辛口白ワイン

ピンク・グレープフルーツを想わせるフレッシュさとクリスピーな酸の調和が見事です。

関連コラム

一覧に戻る