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ワインと暮らす

今の暮らしにフィットする、幸せオーラのロゼワイン

今の暮らしにフィットする、幸せオーラのロゼワイン

ロゼの製法と合う料理を紹介するコラム。造り方によって色合いや味が変わるロゼワインのマリアージュ。辛口ならハーブを使った魚介のスープやカルパッチョ、ポークグリルやエビチリ、牛肉にバルサミコ酢をかけたタリアータや、きゅうりとディル、ハムとチームのサンドイッチ。甘口ならおやつにも合います。

ワインを飲むことを重ね、自分の好みがわかってくるとそれが頼もしい定番に。一方で、いつの間にか自分で決めた“いつものワイン”の居心地の良さや安心感に寄りかかり、新しいものに興味があってもその一歩がなかなか踏み出せないと感じることがあります。

わが家のごはんはシンプルな味付けのものや、和食(和食と言っても家庭で簡単に作れる程度のもの)が多く、普段のワインはスパークリングワインか白ワインのどちらかを好んで選びます。幅広い料理を受けとめるロゼワインの懐の大きさを知っていて、「今日は選んでみようかな?」と気持ちは動くものの、結局いつものワインに落ち着いてしまう…。

ロゼワインを開けた日

それが突如として、ロゼワインを好んで選ぶようになったのです。

自宅で過ごす時間が長引く中、スタッフのおすすめコメントに魅かれて買ったものの、置かれたままになっていた「バンドール ロゼ」を開けた日のこと(バンドールとは、フランスのリゾート地として知られるプロヴァンスにあるワイン銘醸地です)。グラスに注がれた透明感のあるオレンジがかった淡いピンク色を見て「わ、かわいいな。」と、ふぅーっと気分が緩み、気分転換のきっかけになりました。ロゼワインの色が気持ちを穏やかにしてくれたのです。

ロゼワインのあの色はどこからくるの? ロゼワインのつくり方

淡いものから赤に近い濃いものまであるロゼワイン。その色調の違いには、醸造方法が関わっています。大きく分けて二つの製法があり、ひとつは、白ワインの造り方に似ている「直接圧搾法」。もうひとつは、赤ワインの造り方に似ている「セニエ法」です。

直接圧搾法はプロヴァンスに代表される製法で、赤ワイン用の黒ブドウを圧搾し、ほんのりとピンクに色づいた果汁を発酵させます。果皮との接触がほとんど無いことで、透明感のある淡いピンク色になり、タンニンが軽やかで、フレッシュな果実味が楽しめます。もう一つのセニエ法は一般的なロゼワインの製法で、赤ワインを造る途中の工程(醸し)で、ほど良く色づいた果汁だけを抜き取り、その果汁だけを別のタンクで発酵させます。直接圧搾法に比べて、果汁が果皮と触れている時間が長くなりますので、濃いめのピンク色で、タンニンを感じるコクのある味わいに仕上がります。

ロゼワインのピンク色に魅かれた理由

インテリアやファッションなど、普段はピンク色を選ばない私が、なぜこんなにもロゼワインのピンクに魅かれたのでしょう。気づいたことが2つありました。

ピンク色には幸福感や安心感を与えてくれる力があり、特に淡いピンク色には、人の気持ちをもっとも優しくする効果があるそうです。気軽に外出できなかったり、友人と会えなかったりと、行動に多くの制限を受ける今、自分が気付かないうちに、癒しを求めてそういった色を選んでいたことに頷きました。そしてもうひとつは、ロゼワインの色はブドウの果皮から生まれる自然のもので、人工的に造られたものにはない雰囲気のある絶妙な色合い。携帯やパソコンを使ったオンラインでの時間が長くなった分、バランスを取るかのように自然のものを求めてロゼワインを選ぶ、それは、花や植物を飾ることに似ているのかもしれません。

ロゼワインと料理の相性の良さ、そして、幅広いシーンで楽しめる

透明瓶に入っていることで、鮮やかなピンク色が目に見えて愛らしいロゼワイン。その日の気分に合わせて、好みの色を選ぶ楽しみがあるのです。色の楽しみに加え、白ワインの軽やかさ、赤ワインのコクと渋み、両方の魅力を持ち合わせる。料理との相性の良さまで付いてくる、おいしいワインなのです。

辛口タイプのロゼワインで、例えば、透明感のあるサーモンピンク色のものは、スッキリとした酸とチャーミングな果実味が楽しめるものが多く、ハーブを使った魚介のスープやカルパッチョにぴったりです。淡いガーネット色を選べば、ブドウの旨味とほど良いタンニンが心地よく、ポークのグリルやエビチリにも合います。そして、赤に近い濃い色合いのものは、赤ワインまでは届かないけれどしっかりと感じるタンニンに、複雑味もあり、牛肉を薄めにスライスして、煮詰めたバルサミコ酢をかけたタリアータなど、油脂分のあるお肉料理も受けとめます。

さらに、きゅっと冷やした淡い色合いの辛口のロゼワインと、きゅうりとディル、ハムとチーズのサンドイッチで休日のランチ。甘口のロゼワインと甘いお菓子でおやつの時間も。合わせる料理、楽しむシーンに応えてくれる、なんて万能なワインなのでしょう。

気持ちをふっと変えてくれるような、ちょっとだけ特別な時間をくれるロゼワインは、「ワインのある今の暮らし」にぴったりなのかもしれません。

今日はどんな色のロゼワインを選びましょうか。

おすすめのロゼワインをご紹介いたします

トラマーリ 

一口飲めば、一瞬で南イタリアの美しい景色の中に飛んでいけそうな辛口ロゼワイン。海の近くの産地で造られるので、魚介を使ったお料理との相性が良いです。

シャトー・ド・パランシェール ボルドー・クレーレ 

ガーネットに近い色合い。フレッシュな酸、程よいタンニン、コクのある果実味を併せ持つタイプ。飲みごたえがあるので、叩いて薄くした豚肉をバターとオリーブオイルでカリッと焼いたミラノ風カツレツなど、ボリューム感のあるお料理と。しっかりめの夕食のときに選びたい1本です。

クレメンタイン ブラッシング ミニー 

果物、花、スパイスと次々と香りが表れます。スパイシーさとコクのあるタイプで、胡椒や八角、甜麵醬やオイスターソースを使った中華料理と合わせるのもおすすめです。

フランチャコルタ ロゼ ブリュット 

ぱっと目を引く、美しいピラミッド型の透明瓶はとても華やか。シャンパーニュに匹敵する厳しい規定をクリアした上質なロゼのスパークリングワインは、ハレの日のテーブルでも活躍してくれる1本です。上品で繊細な泡立ちとともに広がる、苺のような果実味とコク。ハーブやピクルスを入れたタルタルソースといただくサーモンのフライや、酸味もある玉ねぎのソースをかけた肉汁溢れるハンバーグと合わせてみてはいかがでしょう。

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