1. Home
  2. Column
  3. FKJの『VINCENT』と『ヴーヴ・デュ・ヴェルネ』でChillなひとときを~ワインと音楽~
ワインと暮らす

FKJの『VINCENT』と『ヴーヴ・デュ・ヴェルネ』でChillなひとときを~ワインと音楽~

FKJの『VINCENT』と『ヴーヴ・デュ・ヴェルネ』でChillなひとときを~ワインと音楽~

ワインと音楽を合わせて楽しむコラム。キラキラのピアノイントロと、スパークリングワインの泡が私をほっとさせてくれる。筆者はジャズシンガーの東海林美乃梨。





「あー、今日も1日疲れたなー。」
そこそこ混んでいる電車に揺られ、若干重たい体をゆっくりと動かしながら、なんとか自宅に着き、冷蔵庫を開く。
そんなときに並んでいてほしいのは、そう、カジュアルな泡。
とにかく、まずひとくち。
そのひとくちが、1日に感じた様々な感情を、優しくシュワシュワと浄化してくれる。

“カジュアルな泡”といえば、スペインの『カバ』や、イタリアの『プロセッコ』が代表だろうか。
フランスのシャンパーとニュ...というと高額な物が多く、私にとっては特別な時に開ける泡である。

しかし、フランスにはシャンパーニュしかないわけでは、もちろんない。
シャンパーニュ以外のフランス産スパークリングワインでコストパフォーマンスが良く、いつでも気軽に楽しめるお気に入りが、私にはある。
それは、クリテール・ブリュット・ド・ブリュットの「ヴーヴ・デュ・ヴェルネ・ブリュット」。

ブランドコンセプトに「Vive la Vie! スパークリングワインのある毎日を!」を掲げ、現在66カ国へ輸出中。とりわけアメリカでの売行きが良く、シャンパーニュ以外のフランス産スパークリングワインではナンバーワンの売上を誇るのだ。
そんな、「ヴーヴ・デュ・ヴェルネ・ブリュット」をグラスに注ぎ、「さて、何を聴こうかな...」

マッチする音楽。それは、様々な楽器を操る天才マルチ奏者である「FKJ」ことフレンチ・キウイ・ジュースのアルバム『VINCENT』だ。
フランスはトゥール市出身のFKJ。デビューアルバム『French Kiwi Juice』で、瞬く間に音楽ファンの心を射止め、Apple社のCMに使用されるなど、世界中から注目を集めている。
そんなFKJの待望のセカンドアルバム『VINCENT』は、一曲目の『Way Out』から始まる。
心地の良いピアノのキラキラとした音色から始まるこのイントロがまるで、ヴーヴ・デュ・ヴェルネ・ブリュットのボトルの中で、今か今かと待っていたきめ細やかな泡たちが、「おかえり!」といいながらグラスに注がれる音を表しているよう...

そんな心地の良い音と泡によって、段々とプライベートな空間が出来上がり、自分だけの世界に入り込んでいく。
2杯目をグラスに注ぐ頃に流れてくる2曲目は、世界的に有名なギタリスト、カルロス・サンタナをフューチャーした『Greener』。重すぎない程度に体に響くベース音に、エレガントで哀愁漂うサンタナのギターがのる。少しほろ酔いになった体に、ヴーヴ・デュ・ヴェルネの心地の良い酸となめらかな泡が、それらの音と溶け合いながら流れ込む...

このペアリングはまさに「同調」。料理とワインの相性を表す言葉で、2つの味わい・香りの似た要素やスタイルを合わせることをいう。
こんなにチルな時間を演出してくれるペアリングがあるなんて。

FKJは、小さな頃からサンタナの音楽を良く聴いていたそうだ。この、『Greener』という曲が出来上がった時、それを聴いた友人が「サンタナの影響を感じる」といった。そこで彼はサンタナに、長い間インスピレーションを与えてくれたことに感謝の手紙を送ったという。そしてそれを知ったサンタナが実際に曲へ参加することになったそうだ。

音楽の世界も、ワイン造りにおいても、おそらくはあらゆる分野で、人は先人達が放つ輝きに魅せられ、影響を受け、憧れ、それを目指し、そうして新しい”良い物”が生まれる。その繰り返しによって“今”があるのだろう...

そんなことを考えながら、ヴーヴ・デュ・ヴェルネを飲み進める。私も、今まで憧れてきた人たちに少しでも近づくことができるように、明日はもっと頑張ろう…。

冷蔵庫を開ければいつでも手に届くチルなひととき。『ヴーヴ・デュ・ヴェルネ・ブリュット』とFKJの『VINCENT』。
「皆様、今日もお疲れ様でした...!」

【参考】
VINCENT FKJ/BEATINK.COM/2022年9月1日閲覧

https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=12729

一覧に戻る