- ドイツ ラインガウ
ヴァイングート・ヨアヒム・フリック
Weingut Joachim Flick
かのヴィクトリア女王が自らの名前を与えた銘醸畑
ホッホハイマー ケーニギン・ヴィクトリアベルクを擁するドイツ最高レベルのワイナリー
“ラインガウのお手本”と囁かれる銘醸蔵
ワイナリーは1973年に先代、ヨアヒム・フリック氏により設立されました。
1992年にはカルタワインのメンバーに、1999年にはVDPのメンバーになり、テロワールと品質を追求したワイン造りを行っています。
現在のエステイトは1994年にヨアヒム・フリックの所有となりました。エステイトがあるフランクフルト近郊ストラッセンミューレは、700年以上に亘りトップクラスのワインを輩出してきた伝統と改革が共存する素晴らしい地です。しかし第二次大戦後、飲料会社の手に渡り、彼らが購入したときは残念なことに貴重な畑の大部分がコンクリートで覆われてしまっていたといいます。彼らの所有となることで、永い眠りから覚めた畑は、現在素晴らしいワインを生み出しています。
■ヴィクトリア女王が虜になった銘醸畑「ホッホハイマー」
ワイナリーは、ホッホハイマー・ヘレ他いくつかのラインガウのモノポールを所有していますが、なかでも最も名高いのはケーニギン・ヴィクトリアベルクでしょう。ラインガウの神秘といわれたこの地のリースリング。大のお気に入りだった女王がこの地を訪問した際、感激したのがこの畑のものだったことから、異例中の異例として女王陛下自らの名前を畑名とすることが直々に許されたのでした。
ヴィクトリアベルグの記念碑
上質のリースリングを得るために
私たちのゴールは、幾通りもの手法を駆使して上質のリースリングを得ることにあります。自然、土壌、伝統、そして最新の知識。収穫から醸造までの全ての過程で、これらを総合して最高のワインを造りたいと思っています。
ワインは信頼の産物。お客様は私たちを信頼してワインを買ってくれています。ですので、わたしたちは飲む人を決して失望させてはならない、その為に作業に手を抜いてはならないと信じています。
ラベルに刻まれる大英帝国の紋章
■ホッホハイマー ケーニギン・ヴィクトリアベルク
1845年、英国ヴィクトリア女王と夫、アルベルト公が公式行事でホッホハイム村を訪問しました。女王はラインで造られる美味しいリースリングの秘密を知りたかったようです。ホッホハイムの村長が村で最良の地とされるゲオルク・ミヒャエル・パプトマン氏の畑へと案内したところ、女王は大変感動されました。1850年、ワインを大層気に入った女王は、異例中の異例なことに女王陛下自らの名前を与えることを許し、パプトマン氏は女王の名にちなんで畑に「ケーニギン(女王)・ヴィクトリアベルク」と名づけたのです。ラベルのモチーフはこの出来事をもとに建立された記念碑で、英国王室の紋章と1854年5月24日に女王が訪問したことが刻まれています。
今でもイギリスには、「A good hock (ホック=ドイツワインを指す) keeps off the doc(ホックを飲めば医者も要らない)」ということわざあります。ドイツワイン、特にドイツのリースリングのことをイギリスでホックと呼ぶのは、ホッホハイム村にある銘醸畑に由来します。王室の紋章がワインのラベルに使われることなど無いことですが、このラベルはこうした特別な背意味が込められているのです。1850年以来、ヴィクトリアベルクのワインは王室の式典でも愛用されています。
華やかな王室ラベル
オーク樽はなんと自作!
ヨアヒム・フリックで使うオーク樽は、シュトック(1200L)とドッペルシュトック(2400L)。
驚いたことに、彼らは畑近くの森からオークの木を伐採して自作でこれらの樽を作っています。
実はワイナリーの畑は、オークの木が群生しているタウヌス高地の南斜面にあります。
タウヌスはマイン地方の中心で、山やお城、温泉もあり、緑が豊富な自然の宝庫として有名です。毎年フォレスト・レンジャーとオーク樽の生産者とともに森に入り、気に入った木を伐採して自前のオーク樽を作るのです。凄いこだわりですね!
製作中の様子