- イタリア ピエモンテ
クロティン ソチエタ・センプリチェ・アグリコーラ
Crotin 1897 S.S. Agricola
常に挑戦の意欲を絶やさない小さなワイナリー
1897年に創業以降、マレットの村でワイン造りに励んできました。同村では他にワイナリーは無し。現在のフェデリコ・ルッソの代の前まではフレイザ種やバルベーラ種など、アスティ県を代表するブドウを中心に植えていましたが、フェデリコ・ルッソ氏の時代になってブッサネッロ種(2003年-)やマルヴァジーア・モスカータ種(2014年-)など、絶滅の危機にさらされているブドウ品種へのチャレンジが目立ちます。
小さな小さな醸造所
トリノ大学で醸造学を学んだ時に気になっていたブドウ品種への挑戦
フェデリコ・ルッソ氏自身が醸造学を勉強していた際に、授業の中で聞いていた魅惑的なブドウ品種の話…
「昔はブッサネッロというものがあって…」や「マルヴァジーア・モスカータという面白いブドウ品種が植えられていた」などの話にずっとフェデリコ・ルッソ氏は興味をもっていました。
「いつか、自分も取り組んでみたい」
この好奇心旺盛さが独自性の強いクロティン社を支える源と言えるでしょう。
オーナーのフェデリコ・ルッソ氏
誰もやろうとしないブドウ品種への飽くなきチャレンジ!
マレット村は他のワイナリーもなく比べられることもありません。クロティン社は元々少量生産でプロモーションにも活発的ではない、いわゆる「知る人ぞ知る」的なワイナリーです。
オーナーのフェデリコ・ルッソ氏はとことん人の興味があることに挑戦する人物です。
「最初は興味本位でクロティン社のワインを試してもらい、気に入ったらリピーターにいつの間にかなってくれている」といった、ワインの本質である''信頼''をもってお客様と長く接していきたい考えの持ち主です。
フェデリコ氏
1アイテムあたり5,000本以下の少量生産!
ヴィニタリーなどの国際見本市に出展するにつれて、輸出が増えてきたクロティン社。
イタリア国内では地元の顔見知りのレストランに卸している、地元密着型のワイナリーです。総生産量も約35,000本ど非常に規模が小さく、1ワインあたりも3,000-5,000本程度と少量生産を貫く「知る人ぞ知る」ワイナリーです。
将来的には増設も考えていますが、その場合でも「総生産量が8万本を越えることはないと思う」と品質志向を口にします。
発酵直後のワインをチェック!
貝の化石をモチーフにしたラベル
実際、彼らの畑を見学すると貝殻が容易に見られます。
ピエモンテ州は海と面していないので、「海」のイメージが少ないですが隆起してきた土壌であるため、貝殻の化石などがゴロゴロとしています。
「ピエモンテワインの説明をするとどうしても『山のワイン』と思われることが多く(実際はそうなのだが)、でも土壌には海由来の要素もある為ワインにはミネラル感がしっかりと感じられるんだ。だからこそ、ピエモンテのイメージにはあまり無い方のシンボルをデザインしました」と語ります。
ピエモンテのイメージには無いから、敢えてこのデザインに!
プリズンは2つの畑のブレンド
ブッサネッロは2つの畑のブドウを使用し造られます。
プリズンは両畑がある地区名になりますが、至近距離でも特徴は異なります。 最初に植樹したのは2003年です。
ワイナリーから少し離れた方の畑は粘土質と凝灰岩質が入り混じりミネラル感とワインに厚みをもたらします。ワイナリーの隣にある畑は砂質及び石灰質であるため、ワインに酸味と香りをプラスします。これをブレンドすることにより、酸味と果実味のバランスを重視しています。
収穫まであと3週間程度のブッサネッロ
フレッシュさを保つ為、ステンレスタンクで発酵
発酵は全てステンレスタンクで行います。温度管理を重要視しています。
日本で広めたいブッサネッロ種の魅力!
2015年4月にイタリアで出会い、ブラインドで試飲。
話を聞いているうちに、「この人はワインに対してアツイ!」と感じました。
まだまだ未開のワイナリーであるため、協働したいという想いがどんどんと込み上げてきました。
「百聞は一見に如かず」という想いで、同年9月には早速ワイナリーを訪問。やはり、クロティン社はアツい男でした。
フェデリコ・ルッソ氏からも「普通は(売りやすい)バルベーラに興味を持ってもらうことが多いのに、ブッサネッロという土着の中の土着品種に興味をもってくれてありがとう。このブドウ品種は本当にマレット村の特徴が出ているテロワールワインだと思います」とコメントを頂いております。