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フランス
フランス ボルドー

シャトー・レオヴィル・ポワフェレ

Chateau Leoville Poyferre

90年代より評価上昇中。サン・ジュリアンのトップシャトー

1840年に大きな『レオヴィル』の区画から分割

シャトーの歴史は1638年にさかのぼります。ボルドー議会の議員であったジャン・ド・モアティエ(Jean de Moytie)氏は、この地にモン・モアティエ(Mont-Moytie)と呼ばれる砂利質の畑を所有していました。フロンドの乱(1648年~1653年フランスの内戦)以前にシャトーが出来ていたのはシャトー・マルゴー、ラフィットなどいくつかに限られます。

 

1740年、新しくオーナーとなったアレクサンドル・ド・ガスク・レオヴィル(Alexandre de Gascq-Leoville)氏は、シャトー・レオヴィルの畑をメドックで最上のワイナリーにすべく、畑とシャトーの改修を行いました。彼が亡くなった時には120haという、当時で最も大きなワイナリーになっていましたが、その後のシャトーは手入れがされない状態が続きました。

オフィスのある建物はレオヴィル・ラス・カーズと同じ敷地にある オフィスのある建物はレオヴィル・ラス・カーズと同じ敷地にある

1775年までは、レオヴィルのワインは『Abadie』、『Lacaze』、『Chevalier』、『Monbalon』という、4つの名前で販売されていましたが、ヒュー・バルトン(Hugh Barton)氏が『Chevalier』と『Monbalon』の区画を購入し、1826年にシャトー・レオヴィル・バルトンを設立しました。

 

そして、1840年には『Lacaze』の区画をアドルフ・ド・ラスカーズ(Adolphe de Lascase)氏が引き継ぎ、シャトー・レオヴィル・ラス・カーズを設立します。彼の妹のジャンヌ(Jeanne)は『Abadie』の区画を引き継ぎ、その後、彼女の娘がジャン・マリー・ポワフェレ・ド・セレス(Baron Jean-Marie Poyferre de Ceres)男爵と結婚し、シャトー・レオヴィル・ポワフェレが誕生しました。

ポワフェレ氏は1804年に自身のワイン商の仕事を始め、ノルマンディからフランダース(現在のベルギー西部、フランス北部辺り)まで販路を確立し、それはレオヴィル・ポワフェレ自体の販売にも有用な事でした。しかしその後、畑のブドウが長くウドンコ病に苛まれ、それも原因となりシャトーはラランド(Lalande)家とエランジェ(Erlanger)家に売却されます。そしてアルマン・ラランド(Armand Lalande)氏から娘婿のエドワール・ロートン(Edouard Lawton)氏に引き継がれ、今でもロートン家の紋章である、『デゥミ・ウルフ』がラベルに使われています。その後、ウドンコ病の害、フィロキセラの害と続けて試練を乗り越えます。

 

1920年、キュヴェリエ(Cuvelier)家がムーラン・リッシュ(Moulin Riche)氏と共にロートン家からレオヴィル・ポワフェレを購入します。1979年からディディエ・キュヴェリエ(Didier Cuvelier)氏がレオヴィル・ポワフェレを引き継ぎ、1985年から兄弟のオリヴィエ・キュヴェリエ(Olivier Cuvelier)氏がネゴシアンの『H. Cuvelier & Fils』の方を引き継ぎます。現在は80haの畑を持ち、一部は20年位のスパンをかけて植え替えも行っています。伝統と近代技術を取り入れ、技術向上にも努めています。

オーナーのディディエ・キュヴェリエ(Didier Cuvelier)氏 オーナーのディディエ・キュヴェリエ(Didier Cuvelier)氏

細かく区画ごとに発酵を管理

伝統的な手法に加え、様々なキャノピーマネージメントも取り入れられています。収穫時期の前の3週間は、ディディエ・キュヴェリエ氏、ミッシェル・ロラン氏、醸造長と共に収穫時期の見極めの為に果実のチェックが続けられます。

 

収穫は1994年から薄いトレーを使用しています。破砕までに選果が二回行われ、56のタンクに区画ごとに細かく分けられ醗酵を始めます。

ステンレスタンクは56基 ステンレスタンクは56基

シャトーのスタイルを守るのに、タンニンの質とフィネスを大事にするのに重きを置いています。27基ある二重のステンレスタンクを使って6日間低温プレファーメンテーションマセラシオンを行います。オーク樽での熟成は18~20か月。

樽熟成は少し長めの18~20か月 樽熟成は少し長めの18~20か月

【シャトーのラインナップ】

セカンドワインはパヴィヨン・ド・レオヴィル・ポワフェレ(Pavillon de Leoville Poyferre)レオヴィル・ポワフェレの区画の隣にシャトー・ムーラン・リッシュ(Chateau Moulin Riche)の区画があり、パヴィヨン・ド・レオヴィル・ポワフェレは、レオヴィル・ポワフェレ、ムーラン・リッシュ両方の若木から造られています。

ローラン家の紋章『ドゥミ・ウルフ』の入ったラベル ローラン家の紋章『ドゥミ・ウルフ』の入ったラベル