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- フランス ボルドー
シャトー・カントナック・ブラウン
Chateau Cantenac Brown
ひときわ目立つチューダー様式のシャトー
シャトーは次のステージへ
19世紀初頭、ジョン・ルイス・ブラウン氏はシャトー・カントナック・ブラウンを取得し、自らの故郷スコットランドを彷彿とさせるチューダー様式のシャトーの建物を建設します。メドックにおいてとりわけ異彩を放つこの建物は、広大なイギリス式庭園内にたたずんでいます。
著名な動物画家でありグラン・ヴァンの愛好家でもあったブラウン氏は、数々の華やかなパーティーをこの城館にて催しましたが、1843年には銀行家グロマール氏に売り渡します。その後の1855年の格付けで、シャトーのワインの品質の高さが評価され、第3級格付グラン・クリュに定められます。それから150年後、サイモン・ハラビ家の所有となり、一層の品質の向上を目指しています。
現在、シャトーの運営指揮は、ジョゼ・サンファン氏に委ねられ、土壌およびブドウ樹、ならびにシャトーを取り巻く自然環境を重んじる基本理念のもと、秀逸なテロワールの魅力を最大限に引き出す努力が重ねられています。卓越した品質のワイン造りを目指し、セラーでは緻密な育成作業が行なわれ、そこでも後述の理念が活かされています。
ジョセ・サンファン氏による改革
ジョゼ・サンファン氏の運営指揮のもと、改革を行っています。環境を尊重する為、「リュット・レゾネ」へシフトしました。自然環境の尊重を念頭に、土地の効能の活性化を目指し、土壌管理には伝統法を採用しています。40万本ある樹々に丁寧な管理作業を行っています。
収穫は100名強のスタッフで行います。畑で一度選果を行い、もう一度、振動式選果台あるいは光センサー式選果機で選果を行います。そこから10日ほどのアルコール発酵にマロラクティック発酵。
ファーストラベルは熟成に中央フランスで採れた木の樽にて12〜15ヶ月。新樽比率は50〜70%です。清澄は昔ながら、卵白で行います。
【シャトーのラインナップ】
■シャトー・カントナック・ブラウン(Canteanac Brown)…ファーストラベル
■ブリオ・ド・カントナック・ブラウン(Brio de Cantenac Brown)
カ ントナック・ブラウンのセカンドワイン。ラベルはファーストと同じ金のラベルを基調にしながら、少しモダンさが加わっています。主に若木の区画のブドウを使用。味わいは凝縮感とフィネスのバランスを大事に、エレガントで豊かなアロマが特徴的です。
作付比率は、カベルネ・ソーヴィニヨン65%、メルロー30%、カベルネ・フラン5%で、ファーストよりもメルローの比率が高くなっています。熟成は12か月(新樽20~25%)。
■アルト・ド・カントナック・ブラウン(Alto de Cantenac Brown)
2011年がファーストヴィンテージの辛口の白ワイン。冷涼な粘土石灰質の1.8haの畑で栽培されたソーヴィニヨン・ブラン(90%)、セミヨン(10%)から造られます。
年間生産量は9,000~1万本。サンセールのような、ミネラル感と香り豊かなスタイルを目標としています。音楽芸術をたたえて、『アルト』と名づけられました。熟成は1年使用樽にて。
■シャトー・ブラウン・ラマルティーヌ(Brown Lamartine)
シャトーの所有するボルドーの区画から造られるA.O.C. ボルドー・スーペリュール 。作付面積は3.5ヘクタール。カベルネ・ソーヴィニヨン50%およびメルロー50%の比率で栽培。グラン・クリュと同様の管理ケア体制でワイン造りを進めています。カントナック・ブラウンで使用した樽を使い12ヶ月熟成されます。
当初はシャトー・ラマルティーヌという名称で、カントナック村の入り口に位置する畑を使って造られていましたが、1993年以降、シャトー・ブラウン・ラマルティーヌと名称変更しています。言い伝えによると、マコン地方のワイナリーオーナー、アルフォンス・ド・ラマルティーヌ(1790〜1869)は、シャトー・カントナック・ブラウンのオーナー、アルマン・ラランドと国民議会で議席を共にし、ふたりの篤い交友関係から、ラマルティーヌの名がこのワイナリーにつけられたと言われています。