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ウルグアイ
ウルグアイ リベラ

ボデガ・セロ・チャペウ

Bodega Cerro Chapeu

先祖代々ワイン造りを行う銘家が新興産地「リベラ」で挑戦するプロジェクト。

理想のワイン造りを追い求め続けるファミリー・プロジェクト

セロ・チャペウ社は1752年にフランシスコ・カラウ・ヴェヒルスによってスペイン・カタルーニャでワイン造りを行ったことから始まります。1930年からはウルグアイに移住してワイン造りを続け、10世代以上に亘り、ワイン造りに情熱を捧げてきた家族経営のワイナリーです。    

彼らが移住したウルグアイでは雨が多いこともあり、ブドウの樹のウイルス感染が国内で問題になっていました。1975年、先代のキコ・カラウ・プジョル氏はカリフォルニア大学デイヴィス校と共同で、ウルグアイで初めてウイルス・フリーで厳選されたブドウの木を植えるための理想のテロワールを探し始めました。

そのためにはウルグアイの気候に適応し、砂質土壌で、ブドウの木に余分な水がかからないよう水はけの良い斜面である必要がありました。

 

カラウ氏はブラジル南部とウルグアイ北部の様々な場所を訪れ、分析した結果、リベラの「セロ・チャペウ」という場所に、赤みがかった深い砂質土壌を発見しました。肥沃度が低く、水はけが非常に良いこの土地をブドウ畑にすることでプロジェクトはスタートするのでした。

 

40年以上経った今日、様々な品種で適応が成功していることがプロジェクトを通して証明されました。彼らは、タナを始め、プティ・マンサン、トレッビアーノ、マルヴァジーアなど様々の品種を栽培しております。

カラウ一家 カラウ一家

ウルグアイで早くから自然な造りに注目した醸造家

フランシスコ・カラウ氏は、先代のキコ・カラウ氏の子息で1997年に10代目のオーナーに就任しました。世界各地のワイナリーを視察した後に、グラヴィティー・システムを採用するために丘の上にワイナリー再築しました。

 また同氏はセロ・チャペウの土着酵母に注目して、最小限の介入で醸造する技術に専念します。畑からウルグアイで最高のブドウを得るために、畑から数々の革新的なプロジェクトを展開しました。

 現在は若い醸造家と共にプロジェクトを率いており、彼らのサポートやアドバイスを行っています。

 

同氏の今までの功績は国内外でも認められ、2021年にはイギリスの著名なワイン評論家ティム・アトキンMWのウルグアイワイン・レポートでワインメイキング・レジェンドを獲得しました。

オーナー醸造家:フランシスコ・カラウ氏 オーナー醸造家:フランシスコ・カラウ氏

環境に配慮された自然なワイン造り

醸造中は添加物を一切使用せず、ワインをろ過することもほとんどない自然な造りが同社の特徴です。SO2の添加は瓶詰め時のみに必要最低限を添加します。

 

ワインはすべて、畑で特別に選ばれた土着酵母を選抜して醗酵を行います。

 

また、ワイナリーは日中、人工照明を必要とせず、電力の使用を減らしております。

同社の醸造チームはワイナリーにソーラーパネルを設置するプロジェクトにも取り組んでいます。丘の上に建てられているため、ワイナリーは重力に頼ってポンプを使用せず、電気エネルギーの使用を必要最低限に抑えています。

 

将来的にはワイナリーの電力消費を100%太陽エネルギーで賄えるように画策しています。

グラビティ―・フローで管理されるワイナリーの内部 グラビティ―・フローで管理されるワイナリーの内部

資材の使用も最小限に抑えるサスティナビリティー

セロ・チャペウのブドウ畑は世界最大の森林認証機関である「FSC認証」の森林に囲まれています。ワイナリーをはじめとする建物は、これらの森林の木材の資源を大事に使用しています。梱包用の箱にも周辺の森林の木材が使用されています。

 

同社は3年前から、再生紙を使用し、FSC認証を取得した製品にするため、すべてのパッケージのデザインを変更しました。プラスチックの使用も制限し、コーティングされていないクラフト紙のラベルや箱を使用しています。

 

ボトルは環境を配慮して極力軽い、ガラス瓶を使用。これは同時に、輸送時に余分な重量を発生させないため、CO2消費量を削減することもできるのです。

ワイナリーの外観 ワイナリーの外観

最低限の介入に抑えた有機農法

セロ・チャペウでは畑を取り巻く環境とのバランスを保ちながら、最小限の介入でブドウ栽培を行います。

開花期と収穫の数日前の2回、ブドウ畑で自生する酵母を撒きます。これは殺菌剤として機能するそうです。

 

生物学的雑草防除では、冬の間、ブドウ畑で羊を放牧します。開花期に取り除いて作物にダメージを与えないようにする一方で、ブドウの生育期は現在、機械的防除で雑草管理を行います。

将来的には1年中羊を放牧できるような仕組みを開発している最中です。

 

収穫後の茎やブドウの搾りカスは肥料としてブドウ畑に堆肥されます。さらに、羊をブドウ畑で放牧することでその糞尿も肥料として役立ちます。結果として、循環型農業として素材を無駄にせず、機能させることによってサステナブル農業が実践されます。

 

灌漑は井戸から地下水を直接引いています。灌漑は新しい苗木のために、一定期間だけ使います。ニューワールドでは珍しく雨の多い、ウルグアイではその後、灌漑を使用することはほとんどありません。

ワイナリーの敷地内に放牧された羊たち ワイナリーの敷地内に放牧された羊たち

長い歳月で培ってきたチームワーク

収穫など畑の管理は地元のスタッフが手作業で行います。グリーン・ハーヴェストや除葉の作業も同様に行います。

セロ・チャペウ社で働く人の多くは10年以上在籍のベテランが多いです。中には20年以上のスタッフもいます。ここ3年、敷地内での畑の面積を増やしたことでワイン造りがより活発化していますが、ベテランスタッフのチームワークのお陰でより繊細で精密な作業をこなし、生産性が高い仕事を遂行しています。

収穫をするセロ・チャペウのスタッフ達 収穫をするセロ・チャペウのスタッフ達