- イタリア マルケ
アジィエンダ・アグリコーラ・セルヴァグロッサ
Azienda Agricola Selvagrossa
食事とともに楽しんで頂きたいワインの生産者
ミシュラン3つ星レストラン「エノテカ・ピンキオーリ」の元トップ・ソムリエと、料理人の兄弟ワイナリー
弟のアルベルト・タッディは、高校時代からワインに興味を持ち、何と21歳のときにソムリエ資格を取得。その後、世界的にも有名なミシュラン3つ星レストラン「エノテカ・ピンキオーリ・フィレンツェ」で就業。非常に向学心に溢れた彼は、ソムリエとして8年間従事しながら、フィレンツェ大学の醸造科でも醸造学を習得しました。3歳年上の兄アレッサンドロは料理学校を卒業してレストランで働き、料理からワインづくりの道へと進みました。
食とともに歩んできた生産者
ソムリエと料理人の兄弟がワイン造りへと歩んだのには、両親と深く関わりがありました。父はイタリアの五大血統牛の一つ「ボビーノ種」の鑑定士、母は地元でも有名な料理上手。毎日違う料理をつくっても1年では足りないというくらいのレシピをもち、60歳を越えた今も地元の人気食堂からのリクエストで働いています。そんな中で育った兄弟は、まさに「食」と共に歩んできたのであり、ワインは「食」と共にいつもそばにあったのです。
セルヴァ・グロッサの名前の由来
セルヴァ・グロッサのワイナリーがある土地は深い森(=Selva Grossa)だったためワイナリーの名前となりました。 ワインラベルはルカ・メローニ(Luca Meloni )という、地元、ペーザロ(Pesaro)のグラフィックデザイナーに依頼して作成。ワイナリーからデザイナーにイメージを伝え、現在の愛嬌のあるラベルが誕生しました。深い森(=Selva Grossa)を思い起こさせるデザインなので、子どもが木に登って遊んでいる様子など、森の中で子どもがはしゃぐの様子をラベルにしています。
シャトー・シュヴァル・ブランに憧れ、挑み続ける男、アルベルト・タッディ氏
サンジョヴェーゼ種が元々地元では主流のブドウ品種ですが、セルヴァ・グロッサではカベルネ・フラン種、メルロー種にも挑戦しています。
オーナーのアルベルト・タッディ氏が、ミシュラン3つ星レストラン「エノテカ・ピンキオーリ・フィレンツェ」で働いていた時に、衝撃を受けたワインが「シュヴァル・ブラン」でした。どうしてもその感動が忘れられず、カベルネ・フラン種、メルロー種の2品種への挑戦が始まりました。
実際に植えてみるとカベルネ・フラン種は非常に堅牢なイメージのワインを造ってくれているので、手のかけ方次第で素晴らしいものができると実感していきます。彼の造るワインの一つ、「ポヴェリアーノ」はカベルネ・フラン種100%で出来ておりまさにこの想いを形にした挑戦のワインです。
しかし、彼らのワイナリーのあるペーザロではメルロー種はにとっては少し暑い気候と実感します。将来的には気候の変動などによって変わるかもしれませんが、地元の伝統的なサンジョヴェーゼ種、そしてアルベルトが虜になったカベルネ・フラン種とメルロー種を軸にワインを造っています。
世界で最も偉大なワインストックがあるとされているエノテカ・ピンキオーリにもセルヴァ・グロッサのワインはオンリストされており世界のワインファンを魅了しています。
愉快なワイン名と、それぞれに込められた想い
■「ムスケン」(写真左)
テーブルの上をあちこち愉快に飛び回る、愛嬌のあるワイン
アルベルト氏の祖父が彼を呼ぶときに「ムスケン」と呼んでいたのでそれをワイン名にしました。意味は「ちょこまか動く小さなハエ」という意味。
日本人からするとちょっと変わったに思えますが、当時子どもだったアルベルトが、あっちへ行ったりこっちへ行ったりとちょこまか動き回るので愛称を込めてそう呼んでいたことから付けられました。
ムスケンには、別の想いも込められており、レストランのテーブルでも気軽に楽しんでいただきテーブルの上をワインがあちらこちらに愉快にワインが飛び回り、食卓を囲むたくさんの人に楽しく飲んでもらいたい。そんな想いが込められています。
とてもお手頃な価格ですが、食にこだわりの強い、トップソムリエが手掛けた、こだわりの少量生産のワインです。
■「トリンピリン」(写真中央)
アルベルト氏がエノテカ・ピンキオーリで働いていた際の愛称で
エノテカ・ピンキオーリのオーナー、ジョルジオ・ピンキオーリ氏が名付け親。
ジョルジオ・ピンキオーリ氏がアルベルトの事を「トリンピリン」と呼んでいました。
ムスケンと同じように、まるで子どもの用にレストランを走り回り、頑張っている姿を見て、「興奮してはしゃいでいる」、という意味を含んだ方言です。マルケ州を代表するサンジョヴェーゼ種を主体に造られており、ワイナリーを代表するワインです。
■「ポヴェリアーノ」(写真右)
カベルネ・フラン種の畑にあった古い小道から命名
シュヴァル・ブランに憧れた、アルベルト氏の挑戦の1本。現在カベルネ・フラン畑のある場所ですが、古い地図に、ポヴェリアーノ(Poveriano)といわれる小道があったところから命名しました。始めはメルロー種とカベルネ・フラン種を50%ずつのワインを作ろうとしていましたが、ブドウが出来るとカベルネ・フラン種の品質が格段に高かったことから100%カベルネ・フラン種にてポヴェリアーノを造ることにしました。
カベルネ・フラン種はある程度の日照や気温がないと野菜系の香りが出すぎてしまい、味わいやボディーが出てきません。しかし、暑いだけでは、カベルネ・フラン種の特徴であるスパイス系の香りやフレッシュ感が出てこない難しい品種です。
ペーザロの地は、日中しっかり暑く夜は海の影響もあり気温が低くなるのでカベルネ・フラン種の特徴的な香りが、際立ちやすく、ブドウも成熟させる事ができるため素晴らしいクオリティのものが出来上がります。