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チリ
チリ サウス

クロ・デ・フ

Clos des Fous

工業的ではない人的介入控えたチリ屈指のテロワールワイン

チリワイン界に変革を起こす風雲児たち!

『良質なワインをうみ出すには”テロワール”を知らなければならない』と世界各国でキャリアを積んだ、チリのワインスペシャリスト達が2009年に立ち上げたプロジェクトです。工業的なワインが生産されることが多いチリの中で人的介入も極力控えて、テロワールが反映されたワインを造ることを信条としております。

オーナー醸造家のパコ・レイトン氏を筆頭に世界的ワイン地質学者でもあるペドロ・パッラ氏がコンサルタントとして立ち上げから参加している、世界でも注目株のワイナリーです。

パッラ氏は自身のワイナリーを持ちながら、イタリア屈指の醸造家『アルベルト・アントニーニ氏』とタッグを組みアメリカ、イタリア(ポッジョトンド)、アルゼンチン(オルミガス)で、又フランス、アルメニア、ウルグアイでもコンサルタントを行っています。

テロワール・コンサルタント:ペドロ・パッラ氏(写真中央左)オーナー醸造家:パコ・レイトン氏(写真右) テロワール・コンサルタント:ペドロ・パッラ氏(写真中央左)オーナー醸造家:パコ・レイトン氏(写真右)

クロ・デ・フを支える縁の下の力持ち

クロ・デ・フのプロジェクトには彼の仕事なしでは成し得ないと周りに言われているのが、現オーナー醸造家のパコ・レイトン氏です。チリの名門ポンティフィシア大学で醸造と栽培を学び、ラトゥーファの地でワイン造りを2006年からスタート。

マジェコ・ヴァレーの地でピノ・ノワールの醸造は始めたパイオニア的存在としてクロ・デ・フのプロジェクトに参画します。

以来、クロ・デ・フの実務は彼を中心に進められクロ・デ・フの原動力となっています。

華やかなの経歴はなくとも実直に畑のテロワールの向き合ってワイン造りを行い、チリでの長いキャリアの中でチリのテロワールを熟知した人物です。

 

パコ氏本人曰く、「プロジェクトのメンバーがやりたくない仕事をすべてやっている」と語り、ロジスティックスやワインの品質・在庫管理も行います。

真面目な人柄が伺える醸造家です。

オーナー醸造家:パコ・レイトン氏 オーナー醸造家:パコ・レイトン氏

ワインスペクテーターが「現代のインディージョンズ」と呼ぶテロワーリスト

【経歴】

ワイン用ブドウ栽培の中心部、チリ南部の街、コンセプション(2010年に大地震があった地区)の法律家の家庭に誕生。大学で農林業におけるリモート・センシングを学びます。卒業後はジャズのサックスフォン演奏者として活躍。その後、テロワールのスペシャリストとして転身を遂げます。

地質学者・コンサルタント ペドロ・パッラ氏 地質学者・コンサルタント ペドロ・パッラ氏

唯一無二の地から、大地を反映するワインを

クロ・デ・フの目指すワインとは、『いつ飲んでも、岩・石を感じるテロワールを素直に表現した、これまでにはない究極のテロワールワイン』です。このようなワインを実現させる為、究極の土地を求めて長い年月をかけて、畑にふさわしい土地を探してきました。

クロ・デ・フの畑は、一般的な平地のブドウ畑とは異なり、岩の多い斜面に位置します。深く土を掘ると、からなず地層の深い所に小さい根を見つけることが出来ます。

パッラ氏曰く「このような土壌からうまれるワインを口にすると、土地のキャラクターがおのずと現れる」と言います。ワインに複雑味は不可欠ですが、醸造所内でそれを付けることは一切しません。何故なら、複雑味は畑の地層にある-「台地の下にある複雑な土壌の形成、岩の入り方、岩の種類とその形状等がワインの複雑味を左右する」-という考えを持っているからです。

クロ・デ・フ

クロ・デ・フとはクレージーな男達/垣根の意。人とはかけ離れた発想でうみだされる彼らのワインのコンセプトをユニークに表現しています。

Pour Ma Gueule「プール・マ・ギュール」

フランス語で「私のために」の意味を持つワイン。ブルゴーニュで一般的に使用される表現で、醸造家がプライベート用に造る特別なワインを意味します。決して高級ブドウでなくても、「一番おいしい」を知っている造り手がイタタ・ヴァレーのテロワールの素晴らしさを、手頃な価格で楽しめる、そんなワインを目指し手がけたクロ・デ・フのベースワインです。

プール・マ・ギュールのラベル プール・マ・ギュールのラベル

ピノ・ノワール→ラトゥーファがうまれる畑

ピノ・ノワール、シャルドネ、リースリングをマジェコ・ヴァレーの地でうみ出すことが、2009年にクロ・デ・フを始めるに至った大きな理由です。マジェコでなければならない理由、それはこの地のテロワールが完璧な気候を持ち、チリで長年に亘りパッラ氏が追い求めていた、“バランス感”と“理想的なアルコール度数”を持つワインをうみ出す地がここにあると確信したからです。

このエリアは地形的に複雑な構成をしており、この地形はチリのセントラルエリアとは全く異なり“シスト土壌や花崗岩、火山性土壌”が複雑にそして理想的な状態で混じり合い構成されています。

クロ・デ・フににとって、土地のミネラルを表現することこそがワインづくりにおける重要な指針となっています。また、このミネラルを引き出すには、土壌が脱塩されており、気候面でも温度の上昇や太陽がその品質に悪影響を及ぼさない事が基本条件になります。

 

マジェコ・ヴァレーでは2010年より9haの地でブドウ栽培を開始しました。7ヘクタールの畑ではピノ・ノワールを栽培します。(クローンは777、828そしてデーヴィス1)その他、1ヘクタールの畑でシャルドネ、1haの畑でリースリングを栽培しています。農法としてはビオディナミを実践、ここには素晴らしい粘土質土壌があるので、耕作は馬を使い土を押しつぶさないように心がけています。株密度は1ha当たり7000本と密植で、これまで一度も灌漑をおこなったことがありません。
■灌漑
マジェコ・ヴァレーの気候は灌漑を行わずともブドウを栽培が可能です。クロ・デ・フの畑は1999年、政府の研究実験として栽培された1ヘクタールのピノ・ノワールの畑以外、これまで一切灌漑を行わずブドウを栽培してきました。これらのブドウ畑からラトゥーファ(単一畑)のピノ・ノワールが育まれます。
■気候
涼しく、9ヶ月もの間雲がかかり、年間降雨量は1000-1200mm程に及びます。しかし、とても強い風が吹き付けることで、カビ菌の繁殖を妨げてくれブドウは健康に清潔に成長することができます。ブドウの成熟期間は長く、ゆっくり進みます。このため、収穫は4月の最終週が平均的な収穫時期。(ヨーロッパだと10月末頃)アルコール度数は13-13.5度程になります。
■土壌
畑の土壌は複雑で4つのミクロテロワールの集合体です。
 火山性沖積砂利質土壌 (Volcanic alluvial gravels)
 火山性石灰華土壌 (Volcanic Tufa)
 火砕性シスト質土壌 (Pyroclastic schist)
 様々な花崗岩土壌
土壌の起伏としてはトスカーナスタイルのような、丸く浸食されてた丘のような形態です。

Traiguen Monje畑 (産地:マジェコ・ヴァレー)の畑 Traiguen Monje畑 (産地:マジェコ・ヴァレー)の畑

ピノ・ノワール→スブソルムがうまれる畑

オーナーの一人、アルバート・クーセン氏が所有する畑で、ペドロ・パッラ氏によって畑が設計され、2007年に最初に栽培を行った畑です。この畑では、健康で品質の高いピノ・ノワール クローン「ディジョン・クローン」777、115、828、そしてジュベル・シャンベルタンのマスセレクションとボーヌ・ロマネのマスセレクションで栽培しています。栽培面積は4ha。1haあたり1万本と密植を行い、3000-5000リットルの容器に10種の異なるワインを造り分けることを考え、畑を10の小区画に分け管理しています。
■気候
沿岸部からも直線距離で7kmほどしか離れておらず、気候はとても冷涼で、降雨量も平均的な地区よりも少なく年間約600mm程。雨は秋から冬にかけて集中して降ります。
■土壌
この畑はアコンカグア沿岸部に存在する数少ない畑の一つで、土壌は複雑で、太古の物質が混じります。パレオゾイック地区の土壌は3.5億年前のもの。土壌には海底の砂が混じります。これらは堆積しその後、硬い石となって畑に残っていきました。土壌の質は、畑の丘の下の方から上部まで栄養素が少ない事が特徴です。

畑名Pucalan畑(産地:アコンカグア) 畑名Pucalan畑(産地:アコンカグア)

シャルドネ→ロクラがうまれる畑

「狂気」の名をあえて付けた、究極の土壌を厳選して生みだすクロ・デ・フのシャルドネ。「ロクラ」シリーズからは現在、テリワールの異なる2つの産地から、2つの異なるワインを生み出しています。

いずれの産地も冷涼で、地質調査によって選び抜かれた土地ですが、驚くべきは、いずれもチリワイン産業の中心地から遥か遠い地域にある点です。

 

■1本目:ロクラ・ウノ「狂気1」

ブドウ畑はチリ北部の産地、リマリ・ヴァレーのブドウを使用します。この地は首都サンチャゴから北に400kmの距離にあり、アタカマ砂漠に近い事から非常に乾燥した気候を有しますが、ブドウ栽培地区は冷たいフンボルト海流が流れる大西洋からわずか10KMの距離にあり、冷たい海流の影響を受けます。

 

この地で育つシャルドネは塩味が強く現れ、塩味や高い酸、柑橘系の整った果実味を持ち合わせます。

 

■2本名:ロクラ・ドゥエ「狂気2」

ブドウ畑はチリ南部の産地、イタタ・ヴァレーのブドウを使用します。

首都サンチャゴからは南に400km、スペインの植民地時代にチリに最初にブドウが持ち込まれ栽培された地区です。しかし近代化と共に産業の中心は首都サンチャゴに移り、ワイン造りもサンチャゴ周辺で発達したことから、チリ南部の産地は忘れさられていました。このため、長きにわたり小さな畑を持つ農民が家庭用や南部の地域用に、古くから栽培されてきた樹齢100年を超えるブドウをコツコツと自然農法で栽培し続けていました。

 

素晴らしいテロワールと自らの力で生き抜いてきた古木が沢山存在するイタタ・ヴァレーはチリが世界に誇るワイン産地として再注目されます。

 

ロクラ・ドゥエのシャルドネは、イタタ・ヴァレーの比較的日照量の豊富な地区で栽培されています。(樹齢30年以上)

ワインはロクラ・ウノに比べ肉厚があり、果実の密度が高いボディのあるスタイルで、丸みを帯びた口ありですが、強いテンション、塩味、高い酸が印象的な美しい白ワインです。

ロクラ・ドゥエが産出されるイタタ・ヴァレーの古木 ロクラ・ドゥエが産出されるイタタ・ヴァレーの古木

テラ・アズル(ピノ・ノワール)

ピノ・ノワールの畑の一つで、クロ・デ・フには欠かせない畑です。2010年にシスト土壌が広がる8ヘクタールの畑で栽培を開始。チリで入手できる最も素晴らしいピノ・ノワールを用いて、岩質土壌のテロワールを最大限に表現させるワインをイメージし畑がデザインされています。畑は12の小さな区画に分けられ、一切灌漑を行わずブドウを栽培します。クローンは、ディジョンクローン(777,115,828)、ジュベル・シャンベルタンのマスセレクションとボーヌ・ロマネのマスセレクションを用い、これらを畑の中で混植させています。パッラ氏は再びクローン単体の特徴をワインに描くことは望んでおらず、混植により畑が与えてくれるブドウの多様性、複雑味を見出したと考えています。
■気候
海から7km程と遠くないことからとても冷涼な気候です。この気候がブドウ樹の成長サイクルをゆっくりとさせてくれます。また、太陽の放射熱をコントロールできる事から、ブドウがバランスを失しなわず過度なアルコール度数を作ることを妨げます。年間降雨量は800-1000mmで毎月雨があることから、灌漑を行う必要性がありません。
■土壌
シスト質で様々な岩を多く含みます。2.5億年以上も前の土壌で、畑はトスカーナの丘陵地のようなところにあります。畑内の土壌の変化は、古くから存在する岩によって変わります。とても岩が多い区画から、豊富な雲母(マイカ)を含む区画まで存在。台木は岩質土壌に最適な110Rを使用し、岩の多い畑で深く根を張れるようにします。また、深い雲母土壌には101-14を使用しています。 ※日本未入荷

畑:Azul(ビオビオ・ヴァレー) 畑:Azul(ビオビオ・ヴァレー)