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イタリア
イタリア ヴェネト

テヌータ・サンアントニオ

Tenuta Sant'Antonio

アマローネの醸造法を生かした、他にはない味わい!ヴェネトの伝統を進化させた造り手

コストパフォーマンスに優れ、高い品質を誇るヴェネトの新星。

ヴェネト州の生産者協同組合の創立者であった、アントニオ・カスタニェーディ氏。1989年から4兄弟でワインを造り始め、かねてからこの地域のぶどう作りに精通していた氏が、現在のワイナリーを購入した1995年から「テヌータ・サンアントニオ」の歴史は始まります。
1990年から5年間は研究を重ね、1997年から販売、さらに1999年以降は新しい醸造所を落成、そこでも醸造を行っています。そして現在、2代目である4兄弟全員がそれぞれの分野でワイナリーを支え、さらに進化させています。

彼らの造り出すワインはコストパフォーマンスに優れ、品質が高く、世界的な人気となっています。

 

サンアントニオを支える4兄弟と効率的な業務分担

1963年生まれの長男・アルマンドを始め、ティッツィアーノ、パオロ、そして1972年生まれの四男・マッシモ4兄弟。

アルマンドはマーケティングを、パオロが醸造を、ティッツィアーノとマッシモが栽培をと、それぞれ役割を分担し、兄弟一丸となってワイン造りを行っている。今でこそ担当が異なっているが、20年程前まで兄弟一緒に畑仕事をしており、その時にお互いに対する信頼感を築くことが出来たという。

ワインを愛する人を第一に。果実味豊かで上品なワインを。

ワイン造りの信念はとても明快です。そのポリシーは以下の3点。
① お客様第一主義
② 美味しいワインを造る
③ 品質が高くコストパフォーマンスに優れたワイン

常に自分達のワインを飲んでくれる消費者のことを第一に考えており、そのことがワイン造りにも現れています。

 

理想とするワインのスタイルについて聞いてみると、
① 上品なワイン
② 果実味豊かなワイン
③ 陰干ししたワインには、酸がしっかりしたワイン

(陰干ししたワインにはややもすると酸がぼやけてしまうケースがある)

地域の個性を表現したワイン造りをしているといえます。

こだわりの収穫

栽培の責任者であるティツィアーノとマッシモの2人がそれぞれの畑の特徴を把握し、最適なタイミングで収穫しています。

 

収獲は元々1回で済ませていたものを、経験により2回、必要ならば3回、と行い最良のブドウを得ている。ここで問われるのは、収獲のタイミング。どんなに回数を分けてもタイミングを誤ればマイナスの効果をもたらしかねない。しかし、テヌータ・サンアントニオではこの難しいタイミングを見分け、より繊細なワイン造りを実現している。この収獲のタイミングのすばらしさというのは、当社のソアーヴェを飲んだら一目瞭然!フレッシュでありながらも余韻の長さを残す。これは、この収獲が効果的に行われている結果。

 

彼らの考える良いブドウとは、

 ・バランスの良い(香り、酸度、糖度など)味のブドウ
 ・完熟しているが、酸がしっかりとあるブドウ

 

また、畑が増えたので、天候に左右される確率が減りました。(畑が多いことで、リスクヘッジができるのです)

畑を使い分ける。アマローネとヴァルポリチェッラ

テヌータ・サンアントニオの畑は、モンティ・ガルビ地区(=ヴェネト語で「やせた土地」の意)とモンテ・チェリアーニ地区の2ヵ所にある。このやせた土地と呼ばれるモンティ・ガルビ地区はチョーク質で、水捌けが良く、良質のブドウが採れる。一方のモンテ・チェリアーニ地区は、粘土が豊富でガルビよりも肥沃な土壌。ワインのタイプにあわせてそれぞれ使い分けている。

 例えば、通常ヴァルポリッチェラとアマローネは、ブドウの品質や樹齢でヴァルポリッチェラに使うのか、それともアマローネに回すのか、を分けている。しかし、サンアントニオは異なり、畑で使い分けている。その為、どちらの銘柄も品質のよいワインの醸造が可能になり、他社とは一線を画す、ワイナリーの個性ある、高い品質のワインが出来上がるのです。

「お客様第一」をスローガンにワイン造りに惜しみない投資を!

ブドウ栽培は設立以前から行っているので、この地域での栽培に対する豊富な知識と経験を持っている、しかし何より、4兄弟が力を合わせ、消費者の立場に立ったワイン造りに対する熱意が、結果としてワインに表れ、今や世界中で評価される生産者となった。

 

「お客様第一」をスローガンに、効率的なワイン造りを行っていること。そのためには惜しみのない努力と投資を行う。例えば、最新の温度管理を行う最新のコンピューターとステンレス・タンクを一気に入れ替えを行ったが、実に65万ユーロの投資となった。

彼ら自身は慎ましく倹約家で、2007年に当社社員が訪問した時などは、ミラーが折れたボロボロの車を使用していた。聞いたところ10年以上前に中古で購入した車で、購入当時は4万kmしか走っていなかったのに、何と22万kmまでメーターが回り、さすがにとうとう新しい社用車を購入したというエピソードを聞いた。ただし新車を購入する時も4人で会議を開いたほど。とにかくワイン造りに少しでも資金を廻すことを常に念頭においている。

自社畑、貸与されている畑とも栽培・管理は全て自社で行う

ヴァルポリチェッラ:80ha、ソアーヴェ:20ha


以前は50haを所有していたが、現在はワイナリーすぐ近くにある伯爵家が所有する畑を借り受けることができ、畑が広がった。所有権は他人であるものの、畑の栽培・管理は全てサンアントニオが行っている。

古い慣習にとらわれない、新しい手法・技術への挑戦

彼らの栽培・醸造におけるこだわりは徹底しています。「畑の使い分け」「収穫」「アマローネの醸造技術の応用」「ブドウの陰干し」…と、数え上げればきりがないほど。古い慣習にとらわれない、新しい手法・技術への挑戦は、彼らが父からワイナリーを引き継いだ時から始まりました。
長年組合で培われたノウハウと家族経営の強みを生かした素晴らしいクオリティのワインを造り出す彼らは、「ヴェネトの伝統を進化させた新しい造り手」として熱い注目を浴び、またたく間に「あまたある協同組合のブドウ生産者の1つ」から「ヴェネト州のトップ・ワイナリーの1つ」にまで成長。近年ではイタリア国内はもとより、ドイツやスイスなど世界各国の市場でもその人気は高まってきています。
醸造のいたるところで生かされるアマローネの醸造法により、他にはない味わいが引き出された彼らのワインは、評価誌各誌でも毎年高評価を獲得しています。

ワイナリー名は父の名前と、家族を大切にするアントニオ聖人から

ワイナリー名の由来は、以下2つの理由から

① お父さんの名前から
② ワイナリーの近くに祀られている昔の聖人の名前から。
  1800年代に活躍した、ウンブリア出身のアントニオ聖人。サンフランチェスコ聖人の

  弟子で、主にパドヴァを中心に活躍しました。家族を大切にしていた聖人で、

  片手に子供時代のキリスト、片手に「純粋」を表す

  百合の花をもった彼の像がワイナリーのすぐ近くに祭ってあります。

 

レッシーナ山脈が北からの寒気を防ぎ、ガルダ湖が湿度を伴った暖気を運ぶ

 ヴェローナの中心から東に位置しています。
 この辺りはオリーヴ、サクランボ、ブドウの名産地であり、ブドウが

 適さない土壌や、空いた場所にオリーヴやサクラを植えてあります。
 気温が低い北イタリアでは、通常オリーヴは適さず栽培できないのですが、

 ヴェローナ周辺ではレッシーナ山脈が北からの寒気を防ぎ、ヴェローナの

 北西にあるガルダ湖が湿度を伴った暖気を運ぶ為、オリーヴの栽培が可能なのです。

石灰岩質の土壌

・標高:120~320m
・土壌:石灰岩質(砂利質の下に、石灰質の層が存在)

豊富な経験と厳しい観察

<栽培上での重要な点>
 ① ブドウ樹が自分自身でバランスを取れるようにする
  (人は手伝いをするだけ)
 ② 実は作り過ぎないようにする(剪定やグリーンハーヴェスト)
 ③ 樹齢によって樹に残す葉の数、剪定のタイミングは異なるため、
   それぞれの見極めが大切(キャノピーマネージメント)
 ④ ブドウ樹の毎日の観察・管理

 

<ブドウ栽培での豊富な経験>
 ・サンアントニオはワイナリーの設立以前からブドウ栽培は行っていたので、

  栽培に関しては経験は豊富だが、ティツィアーノが栽培の責任者として、

  さらに経験を重ねた結果、各畑の特徴を熟知することが出来た。畑の作業員も

  社員を5名、パートを5名雇っているが、パートの方も毎年同じ方に来て

  頂くことで熟練し、それぞれの畑の特徴に応じた手入れが出来ている。

 

<バラエティに富んだ畑を所有する優位性>
 ・様々な畑を広く持ち、自社で管理するのは大変な労力であり、各畑の

  個性を掴むには経験が必要であるが、その分ヴィンテージに起因する

  出来不出来の差を減らすことが出来る。

 (ヴィンテージによって、出来のよい畑からブドウを選択できる)

最新の設備に細心の配慮を行う

<畑の個性を活かす、小ロット単位の醗酵>
33~160HLのステンレス・タンクを所有。容量の大きいタンクは縦方向に長く、上下2室に分かれている。醗酵する容量を小さくすることによって、個々のワインの個性を表現することができる。

 

<最新の醗酵タンク>
タンク内に回転するバーがあり、バーからチェーンが垂れ下がっている。バーと一緒にチェーンがタンクの底を攪拌することによって、アルコール醗酵中に酸化のリスクを伴うことなくバトナージュを行うことができる
(利点)
  白・・・① 人件費削減(以前は人の手で行っていた手間が減る)
      ② リスク回避(バトナージュの際、酸化の危険性がなくなり、

              香りを逃がさなくなった)
  赤・・・① 品質向上(シュール・リーの期間を長くすることができ、

             複雑味が増す)
      ② 短所の軽減(マロ・ラクティック醗酵時に嫌な香りがなくなった)

 

<最新の温度管理>
以前は人が管理をしていたが、全てコンピューターで管理できる為、人件費を削減できると共に人によるミスをなくすことが出来る。

 

<酸化を極力防ぐ>
醸造過程は極力酸化を防ぎ、ボトリング時も窒素ガスを充填して酸素を避ける

 ① バリック(225L)・・・約30個所有
 ② トノー(500L) ・・・約1,200個所有
トノーが多い理由は、最初はスロヴァニア産の350Lを使用していたが、品質に満足できず、その後500Lと2,000Lの2種類のフレンチオークを試し結果、500Lのワインが良かったから。現在は500Lのフレンチオークがほとんど。

  ・産地
   毎年様々な樽を実験していが、ADOUR社のものが多い。

   (ダル・フォルノ・ロマーノはこのメーカーのみ)
  ・225Lの樽
   カンポ・デイ・ジーリに使用。2006年、2007年は良いヴィンテージ

   だった為、実験的にカンポ・デイ・ジーリ・リゼルヴァをバリックで

   熟成中(品質だけを重視した試作品)