- 南アフリカ ウエスタン・ケープ
ニュートン・ジョンソン・ワインズ
Newton Johnson Wines
テロワールに向き合いブドウ栽培に情熱を注いできた家族経営の醸造所
ティム・アトキンMW- 南アフリカワイン格付け「1級」ワイナリー
ハミルトン・ラッセルで有名な冷涼な銘醸地ウォーカー・ベイに1985年設立にした家族経営の醸造所。ピノ・ノワール、シャルドネの銘醸地として知られるヘンメル・エン・アーデ・ヴァレーを中心に、ブドウ栽培に重きを置きテロワールが現れた極めて高品質なブドウから素晴らしい品質のワインを生み出します。生産されるワインは、どのアイテムも質にこだわり少量生産になっています。このため、日本に入ってくるワインの数も毎年決まっており、問い合わせの絶えない人気ブランドとなっています。
ワイナリーを立ち上げたのは、南アフリカ最大のワイン会社ステレンボッシュ・ファーマーズ・ワイナリーで輸出を担当していたデイヴ・ジョンソン氏。当初はネゴシアン・ビジネスに専念していたジョンソン氏ですが、『トップレベルの品質でリーズナブルな価格のワインをつくりたい』との思いを募らせていました。そして遂に1996年にはエステイトを入手し、自らのワイン“ニュートン・ジョンソン”をつくり始めました。現在ではテロワールが反映された洗練されたスタイルのワインで南アのトップ生産者の一つとして知られています。
そして、マスター・オブ・ワイン ティム・アトキン氏によるワイナリー格付けでは、2014年、2016年度堂々の1級格付けに選ばれ、南アフリカのワイン評価誌「プラッターズ」では、ピノ・ノワールファミリーヴィンヤーズが赤ワインとしても、ピノ・ノワールとしても最多の連続最高評価(★★★★★)を獲得する、名実ともに南アフリカ最高峰のワイナリーです。
ジョンソン兄弟の挑戦
現在ワイナリーの運営は、オーナーのジョンソン氏とその二人の息子によって行われています。醸造を担当する息子のゴードン氏はワイン造りに対してはひたすら真面目でとことんまで追求する姿勢をもちます。『(より良いワイン造りのためには)世界中のどこのワイナリーでも修行に行く』といい、その言葉通り、ボルドーのシシェル、カリフォルニアのキュヴェゾン、ニュージーランドのハンターズ等で修行を重ねた腕利きのワインメーカーに成長しました。エレガントさと力強さのバランスを大切にしながら、個々の特徴がよく引き出されたワインを造り出しています。また兄のビーヴァン氏はマーケティングを担当し、国内外にその魅力を伝えています。
醸造家:弟のゴードン氏
官能的なワインが最大の魅力
ニュートン・ジョンソンはもともとピノ・ノワールの造り手としてスターしました。ピノ・ノワールで培った経験を基に、それ以外のブドウ品種にも応用させ、優しいアプローチでワイン醸造に取り組みます。醸造施設では、重力を利用した醸造が行われ、天然酵母を使用し醗酵が行われます。
使用する樽にも強いこだわりがあり、フランス、ボジョレ地区の優良樽業者に依頼し、全てのワインサンプルを送りそれぞれのワインに合った、特注のオーク樽を注文しています。樽業者は数年に一度ワイナリーにも訪れ、ワインの状態を見ながら、更なる高みを求めて樽の選択を行うなど、栽培から醸造まで細部にわたり、とてつもない努力と注意が払われています。ニュートン・ジョンソンが1級ワイナリー格付けされる所以がここにあるのです。
冷涼な産地で産まれるエレガンス/運命の地ヘルメ・エン・アアド
オーヴァーバーグはK.W.V.の時代にはブドウ畑としては認可されなかった新しい産地で、南アフリカで最も冷涼な地区の一つです。海から僅か2~8kmと海洋性の影響を受け、畑から海を見渡すことが出来ます。北ローヌのワインに深く刺激を受けたニュートン・ジョンソンは、この南アフリカの冷涼な地ヘンメル・エン・アーデ・ヴァレーで最初にシラーを栽培し、パイオニア的存在となりました。
運命の地ヘンメル・エン・アーデ・ヴァレー
ニュートン・ジョンソンのシラーが栽培される畑は標高が低く、大きな石が2mにも積重なる土地です。勿論栽培は全て手作業で車も入ることができません。この為、シラーがブレンドされたワインの名前は「FULL STOP ROCK」-岩で完全に止まる-と、車すら入ることが出来ないという意味を表しています。
「冷涼で有機分の少なく、岩が深く蓄積した沖積土壌のこの厳しい環境こそが、ローヌ品種の栽培に最適な条件が揃う」とジョンソン氏は言います。
何故なら、ブドウ樹は栄養分、水分を求め深く根をはります。この結果、自然と収量を落とし、小粒で凝縮した素晴らしいブドウが生まれるます。
収穫・選果: 手摘み・手作業
また、ワイナリーの眼下に広がるブドウ畑は、決して広くはありませんがその土壌は多種多様。例えばピノ・ノワールの区画は僅か数十メートルで大きく構成が変わり、斜度や日照量も異なってきます。このため、ピノ・ノワールは3つのブロックで別々に醸造したワインも醸造しており、ブルゴーニュ的にワインが生み出されています。
また、比較的新しく開拓された産地ということもあり、この地でのピノ・ノワールのクローンを研究・栽培研究を早くから行い、比較的雲の多い涼しい気候下でも病気の被害に強い良質なクローンを探し出し、ワイン造りに役立てています。彼らの研究は、自社ブランドだけでなく、近隣地区の農園もが学ぶ貴重な資料となっており、地域のワイン品質の向上にも大きな役割を果たしてきました。
ワイナリーのシンボルマーク タツノオトシゴに秘められた思い
ワイナリーの経営は徐々に2代目となる兄弟に引き継がれています。
非常に仲の良い兄弟でもある2人を見て、創始者デイヴ氏にはワイナリーのシンボルマークとして兄弟を象徴するような、2匹の向かい合ったタツノオトシゴを使うことを決めたのです。
家族の絆を想わせるロゴがラベルからも伝わってきます。
食事ともに楽しむワイン
ワインは料理と一緒に飲まれることが前提であり、料理を支配してしまうようなワインはつくらないことを哲学に、『トップレベルの品質でリーズナブルな価格のワインをつくりたい』との思いを実現し、現在では都会派の洗練されたスタイルのワインで南アのトップ生産者の一つとして知られています。