- フランス ボルドー
シャトー・ディッサン
Chateau d'Issan
マルゴー地区最良の造り手の1つと評される
かつての栄光を取り戻した銘醸シャトー
クルーズ家によってかつての輝きを取り戻した銘醸シャトー
ボルドーの中でも特に著しい品質の向上が見られるシャトーのひとつが、マルゴー地区格付3級『シャトー・ディッサン』です。
シャトー・ディッサンの歴史は長く、古くは12世紀頃から歴史の表舞台にその名が登場します。有名な逸話として、1152年5月18日、後のイギリス王ヘンリー2世とアキテーヌ地方の女王アリエノール妃の結婚式に供された記録が残っています。このことから、ディッサンのワインにはラベル上部にラテン語で「神のワイン、王のワイン」という言葉が入っています。
メドックでも有数の美しさを誇るシャトーは、17世紀に建てられた歴史あるものです。1851年にはブランシー家が、1865年からはロイ家がシャトーの所有者となり、特にロイ家によっては素晴らしいセラーが築かれ、また1855年のメドック格付第3級に恥じない高い品質のワインが造られるようになります。
しかしその後は大戦の影響を受け、長きに亘り低迷が続きましたが、1945年にボルドーでも有数のネゴシアン一族であるクルーズ家がそのオーナーとなり、設備や畑の改善に取り組み始めます。そして1993年には3代目オーナーとなるエマニュエル・クルーズ氏がシャトーに加わり、翌95年から大規模な投資を敢行。才能溢れる彼の手によって、シャトーは瞬く間にかつての輝きを取り戻し、毎年ワイン・アドヴォケイトやスペクテーターなどの評価誌でも高く評価されるようになりました。2013年からは資産家であるジャッキー・ロレンヅェッティ氏が共同所有者に名を連ねています。
17世紀に建てられた、メドック随一の美しい建物
ディッサンを牽引する原動力!シャトーにかつての輝きを取り戻した立役者
現オーナーであるエマニュエル・クルーズ氏は、1945年にシャトー・ディッサンのオーナーとなったエマニュエル・アンリ・ジョルジュ・クルーズ氏の孫にあたり、同じ「エマニュエル」という名を受け継いでいます。1993年にシャトーに加わり、98年には30歳という若さで歴史あるシャトー・ディッサンのオーナーに就任します。シャトーの運営とワイン造りの両方にその才能を発揮し、素晴らしい品質のワインを世に送り出し続けています。
オーナー兼醸造家 エマニュエル・クルーズ氏
伝統にのっとったワイン造りを
シャトー・ディッサンは格付シャトーながらA.O.C.ボルドー・スペリュールをはじめ、各レベルのワインを造っています。その為様々なシーンで使い分けてシャトーの味わいを楽しむことが出来ます。
①シャトー・ディッサン
シャトーは、銘酒街道2号線を北に進んで、カントナック村に入った所の右手に位置しています。街道沿いの門からシャトーへと続く1本道が境界線となり、ジロンド川と反対側がシャトー・ディッサンとブラゾン・ディッサンの畑です(道を隔てて川側がムーラン・ディッサンの畑)。畑はシャトー・マルゴーとシャトー・パルメの隣に位置し、砂利質土壌が多くカベルネ・ソーヴィニヨンに適した土壌となっています。「オーセンティックなワイン造り」をモットーに、マルゴーの伝統にのっとった、それでいて高い品質を追求したワイン造りを続けています。新樽と1年樽がそれぞれ50%ずつ、18か月間の熟成を経てリリースされます。
②ブラゾン・ディッサン
1995年より、最初から別のブランドを造るべくして造り始められた、シャトー・ディッサンのセカンド・ラベル。マルゴーA.C.の若木の区画のキュヴェを中心に造られますが、熟した区画のキュヴェを程よくブレンドすることにより、早くから飲み頃で、マルゴースタイルも十分に楽しめるスタイルとなっています。新樽を35%使用して約14ヶ月熟成してからリリースされます。
③オー・メドック・ディッサン(当社独占輸入)
シャトー・ディッサンの区画から南に5km離れた、アルザック村の砂利質の区画から造られます。土壌は砂利質で、カベルネ・ソーヴィニヨンに向いています。2008年には区画の大半がマルゴーA.C.に格上げされたため一時的に生産量が少なくなってしまいましたが、現在区画は11ヘクタールに拡大し、マルゴーA.C.に肉薄した素晴らしい品質のオー・メドック・ワインが造られています。
④ムーラン・ディッサン(当社独占輸入)
畑はシャトー・ディッサンが造られているマルゴーA.C.の区画のすぐ東隣、ジロンド川のすぐ近くに位置しています。面積は11ヘクタール、シャトー・ディッサンと同じ設備で醸造は行われます。ボルドー・スペリュールということで格下に思われがちですが、粘土質の土壌で、タンニンのしっかりしたリッチな味わいがリーズナブルな価格で楽しめます。
ディッサンでは7社の樽を使用しています。シャトー・ディッサンとブラゾン・ディッサンは違う樽会社の、焼きの違う樽をブレンドして熟成させ、複雑味が出るようにしています。
ワインは全て樽で寝かされます
エリック・ボワスノ氏がコンサルタントを務める
現在左岸で活躍のエリック・ボワスノ氏がコンサルタントを務めている事もこのシャトーの品質の向上に一役買っています。エリック・ボワスノ氏はラフィット、ラトゥール、マルゴーといった超一流シャトーをコンサルタントするボルドー最高の醸造コンサルタントです。コンサルタントの哲学を押し付けるやり方ではなく、それぞれのシャトーの哲学を尊重し、より良くすることをモットーとしているため、各シャトーの個性が存分に発揮されたワイン造りができると高く評価されています。
メドック最高のコンサルタント、エリック・ボワスノ氏
平均単位収量
マルゴーAOCでは1haあたり8000~9000本の密植を行い、平均45hl/haの収量
800年ずっと家族経営のワイナリー
現在は大手保険会社や不動産会社など、他業者の大手企業がオーナーになっていることも多い格付シャトーですが、ディッサンはずっと家族経営のシャトーであるというのが特徴です。家族経営であるお蔭で短期的利益を追い求めるのではなく、長期的に見て高品質のイメージを落とさないため、年によっては生産量を半分に落としてでも品質を守ることができる、というのは家族経営のシャトーならではの強みです。
所有面積
53ha
1855年の格付からずっと同じ畑で造られるワイン
格付シャトーではとても珍しく、1855年に格付けされた時から畑を一切買い足していない(マルゴーAOC)というのがディッサンの特徴で、歴史が長く、同じ土地での経験や知識が高いことが強みとなります。
マルゴーAOCの畑は1644年に造られた塀に囲まれており、その塀を挟んですぐ隣の畑はシャトー・マルゴーという好立地。土壌はシャトー・マルゴーの畑と非常に似ており、どちらもカベルネ・ソーヴィニヨンのポテンシャルが高い、痩せた砂利質の土壌です。
シャトーの建物へと続く1本道を挟んでマルゴーAOCと逆側にある畑は土壌が全く異なり、粘土質で良いメルローが出来ます。この畑はボルドー・スペリュールAOCで、ムーラン・ディッサンを造っています。
また、マルゴーAOCの畑から車で南に5分ほど行ったところにある畑はオー・メドックAOCで、ここでオー・メドック・ディッサンを造っています。
ディッサンのスタイルは土地の味!
シャトー・ディッサンは12世紀からワイン造りを行っており、800年以上の歴史を持つ、伝統のあるシャトーです。このようなシャトーは銘醸地であるボルドーでも非常に珍しく、同じ土地でずっと高品質のワイン造りを行っているということは、それだけその土地のポテンシャルが高い証拠でもあると信じています。
マルゴーAOCの畑は、CS率が高くてもフィネス&エレガンスを兼ね備え、固すぎず強すぎず、毎年素晴らしいバランスの取れたワインが出来る土地です。それこそがシャトー・ディッサンのスタイルだと考えています。
全て手摘み!
ムーラン・ディッサン、オー・メドック・ディッサン、ブラゾン・ディッサン、シャトー・ディッサン、全ての畑で100%手摘み収穫を行っており、収穫は100人もの人数で行います。
ファーストとセカンドワインの違いについて
ディッサンのファーストワインとセカンドワインは同じ畑で、同じ栽培方法、そして同じ醸造方法で造られています。畑の中で何十にも区画を分け、区画ごとに収穫し、それぞれ別のタンクに入れて醸造し、ワインが出来上がってから全タンクを試飲してファーストとセカンドに分けます。
栽培も醸造も同じチームが同じやり方で造っているのです。
ただ、試飲してファーストとセカンドを分けると言っても、決してセカンドの方がクオリティが落ちるという訳ではなく、より骨格や凝縮感、複雑味のある味わいのものをファーストに選び、ファーストより早くから楽しめそうな味わいのものをセカンドに選びます。
セカンドのブラゾン・ディッサンに関しても品質への妥協はなく、出来がよくない年には
生産量を50%ぐらいに激減させてでも品質を最優先に造っています。
ボルドー・スペリュールのワインも100%手摘み、100%樽熟成
当社独占で販売しているムーランディッサンについて、味わいはメルローの果実味が豊かに感じられ、この価格帯で100%手摘み、100%樽熟成(しかも新樽も15%使用)。そしてシャトー・ディッサンが造る、ということで間違いなくボルドー・スペリュールの中でトップクラスのワインだと言えるワインです。
味わいと共に、シャトー・ディッサンとリンクした金色のラベルが好評です。