- フランス ボルドー
シャトー・ランシュ・バージュ
Chateau Lynch Bages
5級ながら2級レベルと称されるシャトー
カーズ家によって躍進を遂げたシャトー
バージュ(Bages)家の領地は16世紀には存在していましたが、ワイン造りが始まったのは18世紀になってからの事です。1749年から1824年まで、ボルドーで商人として働いていた、アイルランド人の息子、トーマス・ランシュ(Thomas Lynch)氏が所有し,
『クリュ・ド・ランシュ(Cru de Lynch)』という名前で優れたワインが造られており、1855年にはメドック格付けに選定されます。
それから時が流れ1930年、ケルー(Cayrou)家の子孫から、サン・テステフのシャトー・オルム・ド・ペズでワインを造っていたジャン・シャルル・カーズ(Jean-Charles Cazes)氏にランシュ・バージュの畑が貸し出されます。
そして、第二次世界大戦の後、カーズ氏はオルム・ド・ペズ、ランシュ・バージュ、両方のシャトーのオーナーとなります。その後、彼の息子、アンドレ・カーズ(Andre Cazes)氏は畑を100haにまで広げます。そして1973年、ジャン・ミッシェル・カーズ(Jean-Michel Cazes)氏が引き継ぎ、様々な事業を成功させていきます。2ツ星も獲得しているコルディアン・バージュというレストランを造ったり、ワインテイスティングスクールを造ったりしました。彼には3人の娘(Kinou、Marina、Catherine)に加え、息子のジャン・シャルル・カーズ氏がおり、2006年にジャン・シャルルが後を引き継ぎました。
ランシュ・バージュには、現在流行となっている、重力を利用した発酵システムが1850年には既にSkawinski氏によって開発・導入されており、その設備が今も展示されています。
シャトーのセラー
所有面積
100ha
年間平均生産量
300,000本
平均樹齢
30年
各区画の土質に合わせた栽培を
2006年から取り組んできた人工衛星技術を用いた土壌調査により、よりそれぞれの土質に合わせたブドウ栽培が可能になってきました。また、最先端の技術を取り入れて、ブドウ品種にベストな状態で収穫が出来る様になってきています。
栽培ブドウはカベルネ・ソーヴィニヨン70%、メルロー24%、カベルネ・フラン4%、プティ・ヴェルド2%
発酵、プレス、マロラクティック発酵の後、12月にブレンドが行われます。年によりますが、樽にて18ヵ月熟成され(新樽比率70%)、滓引き、清澄が行われます。
環境に配慮し殺虫剤を使わず、防虫用のセクシャル・コンフュージョンを用いたり、排水処理を整えたり、また、プティ・ヴェルドはマッサル・セレクションを行っています。
【シャトーのラインナップ】
セカンドワインは、Echo de Lynch Bages(エコー・ド・ランシュ・バージュ)
アンドレ・カーズが購入したシャトー・オー・バージュ・アヴルー(Chateau Haut-Bages Averous)は、1976年からランシュ・バージュのセカンドワインとして販売されてきましたが、2008年ヴィンテージからエコー・ド・ランシュ・バージュと名前が変更されました。
エコーという名前はギリシャ神話に登場する妖精の名前で、『エコー(こだま)』の由来と言われています(※)が、こだまの様にファーストラベルのエレガンスやスタイルを感じさせてくれる、という意味でつけられています。
年によりますが、全体の25~40%がセカンドを造るのに使われ、若木から獲れたブドウ、もしくは一部の決まった区画がセカンドに回されます。
※妖精『エコー』はおしゃべりな妖精でしたが、ゼウスが他の妖精に言い寄ろうとしているのをごまかそうとしたことがゼウスの妻ヘラにばれてヘラの怒りを買い、声を取り上げられてしました。以来、相手の言葉を繰り返す事だけ出来る様になったということで、『エコー(こだま)』の由来となっています。
Blanc de Lynch-Bages(ブラン・ド・ランシュ・バージュ)
ソーヴィニヨン・ブラン、セミヨン、ミュスカデルを使用した白ワイン。1990年が初ヴィンテージ。基本樽で熟成(新樽比率50%が多い)されますが、一部ステンレスタンクの年もあります。
シンプルで品のある白のラベル