- フランス ボルドー
シャトー・デュアール・ミロン・ロートシルト
Chateau Duhart Milon Rothschild
ラフィット所有のシャトーだが、近年は更なる存在感を持つ
かつてシャトー・ラフィット・ロートシルトのセカンドだった
18世紀初め、ラフィット家が主導となり、ポイヤック地区でブドウの栽培が浸透していきました。当時から、『ミロン』の区画の素晴らしさは一目置かれており、ルイ15世に『ワイン王子』と呼ばれていた、ニコラ・アレキサンドル・ド・セギュール(Nicolas-Alexandre de Segur)伯爵がオーナーを務めるシャトー・ラフィットのセカンドとして扱われていました。
1830〜1940年ごろにカステジャ家が『マンダヴィー』とデュアールの未亡人より相続し、40haの畑を持つようになります。そして、この畑がデュアール・ミロンと名付けられたのが、シャトーの名前の始まりです。
その後、1855年にメドック格付けで4級として選出されます。カステジャ家が20世紀の前半まで所有していましたが、その事、畑は50haになっていました。
ロスチャイルド家による大掛かりな再建
1937年シャトーは売却され、その後の25年の間に、5つの所有者の間を転々として行き、畑は分割され、衰退し、1956年の酷い霜害で大きなダメージを受けました。1962年にロスチャイルド家が購入するまで、品質の低下は著しいものでした。ロスチャイルド家が購入した当時、敷地110haのうち、ブドウが植えられていたのは17haのみ、というスタートだったのです。
大きな再建プロジェクトが始まりました。排水設備、樹々を掘り起こし、植え替え、適切な区画を買い足し、再統合していきました。セラー、醸造設備も新設。1973年から2001年の間に42haから71haにまで拡大しました。
現在では、植え替えられた樹々が成長し、造られるワインはメドック格付けに相応しいレベルへと返り咲きました。1990年、1995年、1996年、2000年も高いレベルの出来でした。
2003年以降のすべてのヴィンテージにもポテンシャルが感じられます。「ベストヴィンテージは?」と聞かれたなら、2009年や2010年と言った近年のヴィンテージを挙げます。
テクニカル・ディレクター:エリック・コレール(Eric Kohler)氏
年間平均生産量
360,000本(ファーストが240,000〜300,000本、セカンドが84,000 〜144,000本)
所有面積
76ha
平均樹齢
30年
畑も技術も、ラフィットのスピリットが宿る
シャトー・デュアール・ミロンはシャトー・ラフィット・ロートシルトの西側、『カリュアド』の区画に沿って、『ミロン』の丘陵地ににほぼ一区画に固まっています。
現在、76ha畑があり、土質は石灰質を底土に持つ、風成砂を含んだ砂利質です。畑にはカベルネ・ソーヴィニヨン67%、メルロー33%の比率で植えられており、平均樹齢は30年です。
1962年以来、シャトー・ラフィット・ロートシルトと同じチームがデュアール・ミロンの栽培・醸造を行っています。
2003年に、セラー、発酵設備が一新されました。12月に各タンクから細かく試飲を行い、慎重にファーストラベル用のワインがセレクトされます。熟成はシャトーで造られたオーク樽で行い、期間は品種、区画によって10〜18ヶ月と、様々です。
2003年に一新されたセラー
【シャトーのラインナップ】
ファーストに加え、セカンドラベルのムーラン・ド・デュアール(Moulin de Duharl)が造られています。
基本、セカンドはシャトーの若木の区画のブドウから造られ、熟成には2年使用の樽を使用します。
ファースト・ラベル